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生命保険を使っての貯蓄は得なのか?どう考えても…

貯蓄は生命保険を使ってすることもできます。でも、生命保険を使っての貯蓄は得なのでしょうか?

「結局、私たちにとって有利なの?」というのが誰もが知りたいところでしょう。ここで、ゆっくり考えてみましょう。

【Q】貯蓄型の生命保険にはどんなものがあるの?

お金を貯められる生命保険には、さまざまなタイプがあります。代表的なところで言うと、養老保険とか終身保険という名前が挙がるでしょう。

養老保険

養老保険は、まさに貯蓄目的の保険です。

通常は毎月一定額の保険料を払い込み、満期まで貯まると満期保険金がもらえます。まさに積み立て商品です。

ただ、保険なので、満期が来る前に被保険者が亡くなると、その時点で死亡保険と同額の満期保険金が受け取れるのです。

終身保険

終身保険も貯蓄目的で利用されることがあります。

終身保険というのは、一生涯保障が続く死亡保険のことです。死亡保険というのは、被保険者が亡くなると死亡保険金が支払われる保険ということですね。

ただ、途中で解約すると、解約返戻金というお金が支払われます。ある程度の期間積立てると、これまでの保険料の合計よりも解約返戻金の方が大きくなります。

つまり、お金が増えるわけですね。これを狙って積み立て商品として利用することがあります。

学資保険

このほかに、学資保険という子供の学費をためるための保険もあります。

学資保険は養老保険と似たような形の保険です。通常は父親が被保険者になり、被保険者が亡くなると満期保険金と同額の死亡保険金がもらえます。保険期間が終わるまで父親が生きていれば、ふつうにお金が貯まるという形です。

個人年金保険も貯蓄型の生命保険

個人年金保険という自分で用意する年金も、貯蓄型の生命保険の一種です。終身保険や養老保険と違うのは、この保険が生存保険(正確に書くと生死混合保険)に分類される保険であるということです。

終身保険のような保険は、被保険者が死亡すると保険金が支払われます。それに対して生存保険というのは、○歳まで被保険者が生きていると保険金が支払われるというタイプの保険のことです。

生存保険と死亡保険という違いはありますが、個人年金保険も保険料を積み立てていって将来受け取るという意味では貯蓄目的の保険です。

変額保険や外貨建て保険

これらに加え、変額保険とか変額年金と呼ばれるものもあります。多くの生命保険は固定金利の商品ですが、「変額」と付くものは運用によってもらえる額が変わってきます。

また、最近は、外貨建ての保険で貯蓄目的のものも増えているようです。日本が低金利なので、金利が良い外貨での運用をアピールしたいのでしょう。1

これらは、今まで紹介した、終身保険や個人年金保険をアレンジしたものだと思っていいでしょう。銀行預金に金利変動型の定期預金があったり、外貨建ての定期預金があるのと同じような感じです。

【Q】予定利率が1%台なら得ではないの?

予定利率というのは、私たちが支払った保険料の運用利率です。これを書いている現在(2011年7月)、1%台に設定されることが多いようです。

現在のような低金利の時代に、1%台の運用ができるなら、悪い話では無いと思う人も多いでしょう。しかし、これは、完全に誤解です。

何が誤解かと言うと、私達の保険料の全額が予定利率で運用されているわけではないのです。

私たち保険料を支払うと、最初に生命保険会社が自分の取り分を引いてしまいます。この保険会社の取り分のことを付加保険料と言います。

予定利率で運用されるのは、その残りの部分なのです。この残りの部分を純保険料と言います。

つまり、私たちが支払った保険料は、全体としてみると、ずっと低い利率で運用されているようなものなのです。

予定利率に関しては、こちら をご覧ください。

金利が低い時期は固定金利はダメ

また、金利が低い時期に、長期固定金利の金融商品で積立をするのも間違っています。なぜかというと、将来金利が上がった時に、全く対応ができませんよね。一般的には、解約すると、相応のペナルティがありますから。

生命保険の場合は、特に、途中で解約した場合のペナルティが大きいようです(後述)。ですから、国債の金利が3%とか4%に上がって、さらに有利な金融商品が増えても、乗り換えるのが難しいのです。

【Q】他の金融商品と比較するとどうなの?

「変額」タイプのものを除けば、貯蓄型の生命保険は、固定金利の積立て商品と死亡保険がセットになったものと考えて良いでしょう。

貯蓄型の生命保険では、保険に入る時に満期保険金がわかっています。「満期保険金が分かっているので、確実にお金を貯められる」というのが保険会社のセールストークの一つだったりもするようです。

ところで、固定金利の金融商品は、金利が高い時に入ると有利な商品です。将来市場の金利が下がっても、高い金利のまま運用できるからです。

逆に言うと、金利が低い時に入ると不利な商品とも言えます。ずっと、低い金利のまま耐えないといけません。

ということは、今のような時期に貯蓄型の保険に入るのは、決して有利なことではありません。

しかも、保険の場合、契約期間が長期にわたります。10年20年と不利な契約が続くわけです。

仮に固定金利の商品を使うとしても、将来の金利上昇を考慮したら、もう少し短めの契約にすべきです。そして、それは、生命保険ではできません。

【Q】現金化のしやすさはどうなの?

積立て商品の場合にもう一つ気になるのが、現金化のしやすさです。

生命保険の積立ての場合、通常で、1週間程度で現金化可能なようです。その意味では、比較的現金化は容易です。

営業がついている場合は、必死になって解約の妨害をするなんていう話もありますけどね。営業の収入に直結するので、解約を阻止するように動くのです。

まあ、そういうケースでも、本社に電話すれば一発で解約できます。

ただし注意が必要なのが、途中で現金化した場合、元本割れする可能性が大きくなるという点でしょう。契約期間が短い場合だと、かなり大きく元本割れすることがあるようです。

最近目にした実例なのですが、30年積立ての個人年金を10年目で解約したところ、若干ですが元本割れしていました。具体的には、数パーセント程度のマイナスだったかな。

10年も積立ててもまだ元本割れするのです。ちょっと信じがたいですね。

ということは、それよりも短い期間で解約をすれば、確実に損をするということです。

元本割れが嫌な人だと、「元本割れするくらいなら途中解約は嫌だ」と感じることでしょう。元本割れするなら、多少不利でもこのまま持ち続けようという判断をすると思うのです。

そういう意味では、現金化しにくい商品といえるのではないでしょうか。

貯蓄型の生命保険と比べれば、金利は減らされても元本われをしない定期預金か、わずかな手数料を払えば金利も保証される個人向け国債のほうが現金化しやすい商品といえるでしょう。

まとめ

こうやって考えてみると、生命保険を使っての貯蓄は、ほとんどメリットが無さそうです。特に、現在のように金利が低い時には、まずリストからはずすべき商品でしょう。

万が一今入っている人も、元本割れ覚悟で違う保険に移ったほうが良いかもしれません。そうしないと、不利な契約を今後何年も続けることになってしまいます。

まあ、一度、ちゃんと計算してみることをおすすめします。

とにかく、保険と貯蓄は切り離して考えましょう。今みたいな時期は特にね。

  1. ちなみに、外貨建てだから有利だというのは、素人を騙す時の常套手段です。 []

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