最近は、資産運用の重要性について語られることが多いですね。資産運用というのは、要するに、今持っている資産を使って資産を増やすことです。例えば、今持っているお金を使って株を買い、さらにお金を増やすというような感じですね。
でも、それって、ちょっと変な気がしませんか。だって資産運用って、今資産をある程度持っている事が前提ですよね。そもそも、それほど大きな資産が無い人は、運用のしようがありません。そうなると、まずお金を貯めないといけないのでしょうか。
普通の人の場合、今持っているお金を増やすのと、新たにお金を貯めるのはどちらが効果的なのでしょうか。簡単な例を使って考えてみましょう。
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「貯める」「増やす」ではどちらに力をいれる?
金融資産を増やす為には、2つの方法が考えられます。一つはお金を貯めることで、もう一つはお金を運用して増やす事です。
でも、お金は貯める事と増やす事では、どちらに力を入れた方がいいのでしょうね。時間的な制約もありますから、両方に力をいれるのは、ちょっと大変そうです。
そもそも、お金のことに割ける時間や労力は、ほとんどの人はそれ程多くありませんからね。効果的に対処する為に、優先順位はつけるべきでしょう。
とは言え、どちらを優先するかは、なかなか難しい問題のように思えます。というのも、一般的に通用する判断基準のようなものは無いからです。
そこでこのページでは、具体的な数字を挙げながら、この点について少し考えて見ましょう。
人によってどちらに力を入れるべきかは違う
結論から書いてしまうと、貯める方がいいのか増やす方がいいのかは、その人の状況によって違います。現在持っている金融資産や、家族構成、世帯主の年齢などが影響してきます。特に現在の金融資産が大きいかな。
ですから、単純にどちらに力を入れたほうが良いと言うのは、正直に言って難しいのです。難しいというか、はっきり言って無理ですね。
とは言え、どちらか決められないというお茶を濁したような言い方では、何の参考にもなりません。そこで一つ、分かりやすい判断基準を考えてみましょう。
金融資産で判断するのが便利
貯蓄を優先すべきか増やす事を優先すべきかの判断材料の一つが、その人が現在持っている金融資産です。
金融資産を多く持っている人は、貯める事よりも増やす事に力を入れるべきです。逆に、金融資産が少ない人は、貯蓄に力を入れるべきです。
なぜこんなことが言えるのでしょうか。それは、お金を増やすという行為は、スタート時点で金融資産を持っているかどうかで結果がぜんぜん違うからです。
目いっぱい運用して年6%くらいか
金融資産を増やすというのはどういう事かというと、投資したお金を時間をかけて2倍3倍にする事です。
いわゆる投資をすると、目いっぱいリスクを取った場合、1年で最大年6%前後はお金を増やす事が可能だと考えられます。
6%増やすというのはどういう事かというと、毎年6%のリターンがあるというわけでは有りません。3%のリターンンの年もあれば、20%のリターンの年もあれば、マイナスの年もあるという感じです。
長期の平均を取ると、1年に6%増えるというイメージで捉えてください。相当無理して運用した場合、年6%です。意外とたいしたことが無いのです。
補足:1年に6%という数字はどこから来ているのか
突然6%という数字が出て、ちょっと戸惑っている人もいるでしょう。そこで、何でこんな数字が出たのか簡単にご説明しましょう。
6%というのは、すべてのお金を株式で運用した場合に期待されるリターンです。1
年金基金などの一部の機関投資家は、資産ごとの期待リターンを公表しています。それによると、株式の期待リターンは6%前後だろうという事ですね。
つまり、全額株に突っ込めば、平均で6%程度は期待できるわけです。でも通常はこんなことできないので、全体でのリターンはもっと小さくなります。
手持ちの資産の影響は甚大
上にも書きましたが、資産運用というのは手持ちの資産を年数%増やす行為です。ですから、手持ちの金融資産の多い少ないが、結果に大きな影響を与えます。
投資額が小さい場合
ということは、手持ちの金融資産が少ない場合、投資の効果はかなり限定的になるわけです。貧乏人は投資なんてしても、大した意味は無いということですね。
これを具体的な数字を挙げてみるのが分かりやすいでしょう。
仮に現在持っている金融資産が100万円しかないとします。そして、これを年5%で運用したとしましょう。この場合、1年間で5万円しか増やす事ができません。
お金を貯めた方がよっぽどマシ
5万円程度だったら、貯蓄を考えた方がよっぽど早いですよね。月々1万円貯めただけでも、年間12万円貯めることが可能ですから。
しかも、5%のリターンを期待するのなら、かなり大きなリスクを取らないといけません。6%で目いっぱいですからね。それに近いリスクを取らないといけないのです。
運用に失敗すると、1年後に資産が90万円に減る事だって考えられるのです。ギャンブル的な要素がかなりあります。
これだけの無茶をして、やっと5万円増えるだけなのです。これだったら、貯蓄の方が賢い選択ですよね。
もちろん、投資をして増やす事を考えてはいけないとは言いません。でも、優先して考えるべきは貯蓄です。だって、1か月に1万円貯めるだけで12万円も稼げるわけですから。
運用する資産が1,000万円程度だったら併用するのが良いかなあ
ただ、もう少し金融資産を持っていると、話は違ってきます。
仮に運用する金融資産が1,000万円程度として、同様に考えてみましょう。1,000万円を年5%で運用すれば、50万円の投資収益があります。
貯蓄で50万円増やすには、月々4万円以上を貯蓄にまわさないといけません。家庭の状況によりますが、標準的な貯蓄額と同水準でしょうか。
ようするに、この程度お金を持っていれば、投資もかなり意味を持つのです。
ということで、数百万円から2,000万円の間ぐらいの金融資産だったら、貯蓄と投資は併用していくのが良さそうです。リスクを取って運用すれば、貯蓄するだけの場合と比べて、2倍近いペースで増やす事が出来ます。
それ以上のお金を持っているなら、増やすことにより力をいれるべきでしょう。
多くの家庭で貯蓄を最初に考えるべき
ここまで見てきたことから、ほとんどの家庭で最初に考えるべきなのは貯蓄だといえるでしょう。スタート時点では、そんなに大きな貯蓄がある家庭は少ないでしょうから。
もちろん、お金を増やすべく資産運用するのは悪い事ではありません。でも優先順位としては、貯蓄の後に運用を考えましょう。
特に、運用する資産が500万円を下回る世帯では、まず貯蓄です。運用に頭を悩ますのなら、毎月確実に貯蓄できるような方法を考えましょう。
あるいは貯蓄額を増やす為に、節約方法や収入アップの方法を考えるのもいいかもしれません。
ただ節約というのが曲者です。細かい節約を考えるのも、それはそれで時間の無駄なのです。月に何百円か節約したところで、年間に貯まるお金は微々たるものですからね。
生命保険や自動車保険などの保険や、車の保有、家の住み替えなどの、支出の大きいものから考えるようにしましょう。これに関しては、次のページが参考になると思います。
投資信託などを使うと貯蓄と運用が同時にできる
さて、とりあえず庶民の多くは、まずはお金を貯めるのが重要だと分かりました。でも、最近は、貯蓄と投資が同時にできる金融商品が増えています。
つまり、お金を貯めることと、お金を増やすことを同時にできる商品があるのです。
具体的にどんな商品かというと、投資信託や株式の積立です。リスクを分散するという意味では、投資信託の積立が良いでしょう。
投資信託の積立に力をいれているのが、SBI証券です。
- 投資信託の積み立てにはSBI証券が良い
- SBI証券(外部サイト)
さらに最近は、投資信託の積立をしながら節税ができる仕組みまであります。具体的には個人型の確定拠出年金(iDeCo)や「つみたてNISA」と呼ばれる商品です。
上に書いたように、最初の時期には貯蓄に力をいれるべきです。しかし、同時に増やすことも出来るなら、やらない手はありません。便利な時代になりました。
- 期待リターンというのは、その資産に投資すると、1年で何パーセント儲かるかという予想の事ですね。 [↩]
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