比較的ハイリスク・ハイリターンな商品の積立と言うと、株式や投資信託の積立があります。これらの積立をするのは、資産運用としては適切なのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
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株式の積立は高コスト
まずは株式からいきましょう。
前のページに書いたように、るいとうやプレミアム積立(プチ株)と言う仕組みを使えば、株式の積立は可能です。ただ、積立が可能と言うことと、積立てることが賢明かと言うのは別問題ですよね。利用できても使わない方が良いサービスというのもありますから。
個人的には、これらのサービスを使って株式の積立をするのはあまり賢い選択ではないと思っています。なぜかというと、これらのサービスは手数料が高いんですよね。
例えば、プレミアム積立の場合、約定代金2万円までに対して手数料が税抜きで100円かかります。つまり、月々の積立額が1万円だったら1%、2万円だったら0.5%の手数料がかかるという事ですね。
これに対して、ネット証券最王手のSBI証券の売買手数料は5万円まで税込み50円です。ということは、SBI証券で普通に買い付ける場合よりも、2倍の手数料がかかるという事です。
さらに言うと、普通に株式を買う場合は2万円なんて金額では買えません。安くても5万円だとすると、0.1%の手数料という事ですね。
率直に言って、1%とか0.5%という売買手数料が、すごく気になるという程ではありません。ただ、ちょっと高いですね。ちなみに「るいとう」だと、さらに高くてお話になりません。
まあ、でも、このくらいの手数料だと、プレミアム積立はギリギリで検討できそうです。
株式だと分散投資ができない
株式のつみたてを選んだ場合のもう一つの問題点は、個別株だと分散投資ができないという点です。分散投資ができないと、リスクが大きいと考えられています。
積立投資をするということは、基本的に長期投資をするという事です。何年もかけて運用するわけですね。
長期投資をするのに分散投資ができないという事になると、かなり大きな問題と言わざるを得ないでしょう。
もちろん、積立てる企業の将来に絶対の自信があれば、分散投資なんて要らないんですけどね。通常は、インサイダーでも無ければ、そこまで自信をもって投資することはできないはずです。その自信が無いから、分散するというところもあるんですけどね。
この2つの問題点があるので、株式の積立と言うのは、あまりお勧めはできません。率直に言ってね。
株式の積立をするメリットは以前ほど大きくない
ついでにもう一つ書かせてもらうと、株式を積立てるメリットが以前ほど大きくないという点も重要でしょう。
以前は株式は1,000株単位でしか買えない事が多かったのです。となると、例えば1,000円の株価の株でも、100万円無いと買えないわけです。
これは結構ハードルが高いですよね。個人でも出せない額だとは言いませんが、ちょっと躊躇する額ではあります。
こんな時に毎月1万円から積み立てができるという仕組みがあれば、そりゃ便利なわけです。株式の積立と言うのは、昔は今よりはるかに使えたサービスだったのです。
投資信託は積立てても手数料は変わらない
それでは、投資信託はどうでしょうか。
まず、投資信託は、積立をしても特別な手数料はかかりません。普通に買うのと同じです。その意味では株式より優れていると言えます。
もっとも投資信託には、信託報酬という運用に関する手数料がかかります。この手数料がかかるために、株式を買う場合よりは、はるかにコスト高なんですけどね。
特に長期投資をする場合はコスト高です。信託報酬は毎日かかる手数料なので、運用期間が長ければ長いほど手数料も大きくなります。
まあ、この信託報酬は投資信託によってかなりの差があります。それを考慮して選べば、高コストの問題はある程度回避することが出来ますけど。
分散投資ができるのが投資信託の強み
株式の積立に対して圧倒的に有利なのが、分散投資ができるという点でしょう。
一本の投資信託でもある程度の分散投資はできますが、積立の場合は複数の投資信託を組み合わせやすくなります。そうなると、分散投資をしてかなりリスクを小さくすることが出来るわけです。
つまり、手数料が高い代わりに分散投資ができるというのが、株式と比較した場合の投資信託のメリットという事ですね。
資産運用なら投資信託の積立を
さて、結論です。
手数料は多少高くなりますが、資産運用として考えた場合、分散投資ができる投資信託の方がおすすめです。やっぱり長期投資をすることを考えると、分散ができるというポイントは外せません。
また、投資信託の積立では、つみたてNISA が使えるようになっています。これも大きなポイントです。
つみたてNISA を使うと、分配金や売却益が非課税になるのです。もちろん、運用して儲かることが大前提ですが、上手くいけば大きな節税ができるのは見逃せないポイントです。
ただ、手数料の高さはどうしても気になるので、少しでも手数料の安い投資信託を選ぶようにしましょう。具体的には、インデクスファンドを選ぶべきでしょうね。
まあ、つみたてNISA の対象である投資信託を買っておけば、あまり問題は無いはずです。というのも、つみたてNISA の対象になるには、手数料に関する厳しい基準をクリアしないといけないからです。
つみたてNISA の対象になるような手数料の安い投資信託で積立をするのが賢い運用です。
ギャンブルとして株をやるなら普通に買う方が良い
株式を買って、株価変動のスリルを楽しみたいという事であれば、積立てるのではなく普通に株を買えば良いでしょう。すでに書いたように、現在の環境だと、個別株を買うのはそれ程難しい事ではありませんからね。
ギャンブルのような気分で株を買うのだって、悪くないと思います。そういう考え方を否定するつもりはありません。個人的には、デイトレードだって、本人の責任でやる分には問題が無いと思っています。
ただ、あくまでギャンブルだと割り切ってやるのが大事だと思います。スリルを味わう行為は、資産運用とは分けて考えるべきです。
資産運用というのは、本来、すごく単調なつまらないものですから。
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