子供の教育資金、特に大学の進学費用と言うのは特別なもので、専用の口座か何かを作って貯めなければいけない。こんなふうに思っている人も世の中には多いような気がします。
その証拠に、生命保険会社の学資保険(あるいはこども保険)は人気の商品ですよね。20年近く運用しても元本割れするようなケースがあるにも関わらず、契約する人は少なくないようです。
でも、大学の進学費用って、それほどまでに特別視する必要があるのでしょうか?住宅購入の頭金やら、老後の資金やらと比べて、優先順位が高いものなのでしょうか?
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本来は合理的ではない
本来はこのように別枠の予算を設けて管理するのは賢い行為ではありません。これは次のような具体例を考えると分かりやすいでしょう。
ある夫婦が結婚して、子供が一人生まれたとします。この夫婦は子供が大学に行くことを期待しています。また、少しでも早く持ち家を持ちたいという希望も持っているとします。現在貯蓄が300万円あり、住宅購入の初期費用として700万円貯めたいと思っていたとしましょう。
こんなケースでは、子供が生まれてすぐに教育資金を準備するなんてナンセンスですよね。住宅の取得が最優先課題なのですから、子供の進学費用の準備はその後でも良いはずです。
この夫婦が貯蓄にまわせるお金が月々7万円あったとします。学資保険に入ったばあい、月々の保険料が2万円だったとしましょう。この場合、住宅の取得のための貯蓄は月々5万になってしまいます。初期費用の不足分を貯めようと思えば、80ヶ月(6年8ヶ月)かかる計算です。しかし、教育資金を後回しにすれば、約57ヶ月(4年9ヶ月)でこの費用が貯まります。つまり、約2年早く住宅が取得できるわけです。
もちろん、住宅資金を貯めることを優先させたとしても、教育資金の準備には全く問題はありません。大学の進学費用は、十数年後に必要になるお金ですから。住宅購入後は子供の教育資金の貯蓄額を多くすれば良いだけの話なんですよね。
教育資金の準備を始めるのが遅れると学資保険に入ることが出来ないことを心配する人もいるかもしれません。でも、実はそれも問題が無いんですよね。死亡保険の部分は、定期保険などの生命保険をちょっと手厚くしておくだけで十分なのです。貯蓄自体は違う商品を使えば問題ありませんし。
資金管理は一つの財布で考えるのが基本
繰り返しますが、教育資金に限らず目的別に別枠を作って管理するのは賢い方法ではありません。なぜかというと、お金を使うタイミングが遅いお金を早めに貯め始めることで、本来優先すべきことにお金を使えないからです。
また、個別の商品ごとにポートフォリオを考えるのも、賢い方法ではないでしょう。自分の資産全体で一つのポートフォリオを作って運用すべきです。
全ての金融資産を一括で管理した場合に一番困るのは、支出のタイミングでお金が足りないことです。こういうことがあっては困るので、支出のタイミングと金額もしっかりと把握しておきたいですね。とは言え、大きな出費はそれほど頻繁にあるものではありません。ですから、神経質になり過ぎる必要はありませんけどね。
もう一つ付け加えると、万が一のケースには保険での対応も考えておきましょう。例えば、大学への進学費用だと、夫が若くして亡くなった場合に準備できなくなってしまうことも考えられます。こういった部分は、生命保険で対処するのです。
このあたりのことを気をつけておけば、教育資金だからと言って優先順位を高める必要は特に無いはずです。
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