債券は発行してしばらくしてから市場で買うことがあります。また、償還まで待たずに市場で売ることも可能です。ちなみに償還と言うのは、債券を発行しているところに買い戻してもらうことですね。
このページでは、債券の利回りを計算してみましょう。
最終利回りを計算しよう
今回計算するのは最終利回りという利回りです。最終利回りというのは、市場から債券を買って、償還まで債券を持っていた場合の利回りのことをいいます。
償還というのは、債券を発行していた企業などが、債券を持っている人にお金を返すことですね。つまり、すでに発行された債券を買って、それを最後まで持っていた場合の利回りの計算方法を紹介します。
ちなみに日本の場合は、なぜかは知りませんが、債券の利回りは単利で計算することになっているようです。計算が容易ということなのでしょうか。本来は、複利で計算すべきです。
実際に計算してみましょう
それでは具体例を使って最終利回りを計算してみましょう。3級FP技能検定である個人資産相談業務で出題されていたものです。
- 購入価格 :101.5円(額面100円当たり)
- 表面利率 :年1.2%
- 残存期間 :4年
残存期間について
残存期間というのは、ある時点から償還までの期間の事を言います。債券の場合は、発行した時点で、償還までの期間が決まっています。これを償還期間といいます。
しかし今回のケースでは、すでに発行されている債券を市場で買っています。ですから、債券を買った時点で、償還までの期間は償還期間より短くなっています。
債券などの利回りを計算するときには、この残存期間がどの程度あるかが非常に重要です。
1年あたりの利益を計算
今回のケースだと、額面100円に対して1年で1.2円の利益があります。ということは、残存期間の4年で4.8円の利益がある事になります。
また、額面100円の債券を101.5円で買っているので、この部分に関しては額面100円当たり1.5円の損が出ています。
ということは、残存期間の4年間で額面100円当たり3.3円(= 4.8円 - 1.5円)の利益が出ています。これを残存期間の4で割ると、1年あたりの利益は0.825円ということになります。
最終利回りを計算
今回のケースでは、額面100円の債券を101.5円で買っています。つまり、101.5円で買ったものに対して0.825円の利益が出ているということですね。
0.825を101.5で割って100をかけると、単利の利回りが約0.81%と算出できます。これが最終利回りです。
つまり、買った時の価格で、1年あたりの利息を割ってやれば良いわけです。理屈としては、非常に簡単な話です。いくつか用語が出てくるので、混乱する人もいるかも知れませんが。
基本的に同じように計算できます
債券の利益を求める時には、様々なパターンがあります。
今回計算したのは、市場で買って償還までもつケースです。それ以外に、市場で買って市場で売るというパターンもあります。あるいは、発行された債券を買って、市場で売るパターンもあります。
でも、基本的な考え方は同じです。額面あたりの1年あたりの利益を出して、それを購入価格で割るだけです。
基本はこれだけなので、覚えておきましょう。
スポンサードリンク
貯蓄用の口座には住信SBIネット銀行がおすすめ
貯蓄を始めるには、専用口座を持つのが一番です。しかも、自動的に積立てることが出来るようにしておくと、成功の確率が高まります。
貯蓄のための機能が充実したのが、住信SBIネット銀行です。貯蓄目的別のミニ口座を持てるほか、他行から定期的に引き落とすして積立てることも出来ます。

スポンサードリンク





関連した記事を読む
- 債券の利回りの計算方法| 応募者利回り、最終利回り、所有期間利回り
- 債券の直接利回りって何だ?他の利回り(応募者利回り、所有期間利回り、最終利回り)とどう違う?
- 川崎市5年公募市債を例に債券発行条件の見方を確認しておきましょう
- 個人が既発債を買うことはあまり無いが、外国債券ならありうるようです
- 債券の表面利率は額面金額に対する利率