貯蓄型の生命保険の代表と言えば、何といっても養老保険でしょう。ところで、かんぽ生命の販売する養老保険は、ちょっと変わった特徴があるようです。
このページでは、かんぽ生命の養老保険の特徴的な部分を紹介し、利用価値があるかどうかを考えてみましょう。
Contents
「満期保険金 = 死亡保険金」でないタイプの養老保険がある
一般的に養老保険というのは、「満期保険金 = 死亡保険金」という特徴を持っています(満期保険金に関してはこちら)。契約満了まで被保険者が生存していても、契約満了までに被保険者が亡くなっても、同じ保険金がもらえると言うのが特徴なのです。
かんぽ生命の養老保険にも、もちろんこのタイプのものもあります。しかしそれだけでなく、「満期保険金 < 死亡保険金」というタイプも用意されているのです。新フリープラン2倍保障型、5倍保障型、10倍保障型の3種類です。
名称から想像がつくと思いますが、例えば2倍保障型だったら、死亡保険金は満期保険金の2倍になります。要するに、満期保険金に比べて死亡保障の部分が手厚くなっているわけです。
ということは、10倍型は死亡保険金が10倍ということですね。満期保険金が500万円なら5,000万円の死亡保険金がついてくることになります。
もちろん、 保障が手厚くなっている分だけ、保険料も高くなっているはずですけどね。
養老保険で死亡保障を手厚くする必要があるのか?
かんぽ生命の新しいタイプの養老保険の利用価値ですが、率直に言ってよくわかりません。というのも、養老保険って、一般的には、貯蓄目的ではいるものですよね。そして養老保険の死亡保障というのは、被保険者に万一のことがあっても満期保険金と同額は確保できるようにする目的のはずです。
そういうタイプの保険で、死亡保障を手厚くして、何がしたいのでしょうか。まったくもって意味がわかりません。
どうしても死亡保障が必要なら、養老保険とは別に定期保険にでも入ればいいだけの話です。というか、かんぽ生命の新しいタイプの養老保険は、従来の養老保険と定期保険が組み合わさっただけなんですよね。そう考えると、特に目新しいものでもないのかもしれません。
「普通の養老保険 + 定期保険」の方が使い勝手が良いような気がする
しかも、こうやって組み合わせることによるデメリットも存在します。現金が必要になって養老保険を途中で解約したら、手厚い死亡保障の部分もなくなってしまうのです。そうなると、死亡保障の部分に関しては、新しい保険に入りなおさないといけません。
でも、生命保険っていつでも入れるようなものではありませんよね。年齢が上がれば病気になって契約を断られる可能性だって大きくなります。
こうやって考えてみると、率直に言って、使い勝手は悪そうな印象です。普通の養老保険と定期保険を別々に入ったほうがよさそうに思うのです。
それとも、何か上手な使い方は存在するのでしょうか。
悪名高い「定期付終身保険」と同じコンセプトなのでは
この保険を見て思ったのが、昔はやった定期付終身保険と似たコンセプトの保険だという点です。定期付終身保険というのは、名前から分かるように、終身保険に特約として定期保険が付いた保険です。
終身保険というのは、簡単に言うと、契約を解除しない限りはいつ被保険者が亡くなっても死亡保険金がもらえる死亡保険です。そして定期保険というのは、10年なら10年という一定の期間に被保険者が亡くなったら、死亡保険金がもらえるという死亡保険です。
つまり、一定の期間に亡くなったら、定期保険と終身保険の死亡保険金が両方もらえます。しかし、この期間は生存してその後無くなったら、終身保険の死亡保険金しかもらえないというわけです。
ちなみに、死亡保険金は定期保険の方が圧倒的に大きいです。例えば、定期保険の死亡保険金3,000万円に対して終身保険の保険金が200万円というような感じですね。
かんぽ生命の養老保険(特に新フリープラン10倍保障型)はこの定期付終身保険に似ています。終身保険が養老保険に置き換わったと思うと、かなりの部分が合致するのです。
定期付終身保険の問題点まで似ている
定期付終身保険は、生保会社の売れ筋の保険でした。というか、生保の営業はこの保険ばかりを必死に売っていた印象です。しかし多方面から批判を受け、最近ではかなり影が薄い存在です。かろうじて存在しているという感じでしょうか。
問題点は色々あるのですが、結局のところ、保険として使い辛かったというのが最大のデメリットだったのでしょう。
大きな保障を得るだけなら定期保険だけで十分です。一生保障が欲しいなら終身保険だけで十分です。両方の保障が欲しければ、2つの保険に入ればいいだけです。
結局、組み合わせたところで、特にメリットは無いのです。というか、メリットがないどころか、大きなデメリットがあります。
例えば、急にお金が必要になったとしましょう。その場合、終身保険を解約すると解約返戻金が入ってきます。終身保険には貯蓄機能がありますからね。
しかしこうすると、特約である定期保険まで消えてしまうのです。定期保険はあくまで特約なので、終身保険を解約したら一緒に契約が終わってしまいます。
でも、死亡保障が大きい保険は、年齢が上がってからは入りづらいですよね。ということは、終身保険の契約を解除しづらい状態になっていくわけです。
とまあ、このような感じで、非常に使いづらい保険でした。本当はこれに医療保障特約なんかが組み込まれていることも多かったんです。そうすると、終身保険を解約すると医療保険まで無くなってしまうのです。
結局、お金が必要でも終身保険が解約できなという、よく分からない保険になってしまったわけですね。
今考えると、よくこんなひどい保険を作ったものだと思います。おそらく、大きな保障の保険を作って、がっぽり儲けようという腹だったのでしょう。
定期付終身保険と似ているなら、やっぱり駄目な保険
そして、この悪名高い定期付医療保険と似ているとしたら、新フリープラン10倍保障型という養老保険も、やっぱり駄目な保険と考えざるを得ないでしょう。上に書いた通り、死亡保障だけ手厚くするメリットってあまりないんですよね。死亡保障が必要なら、定期保険に別に入れば良いわけですし。
養老保険の本来の目的は貯蓄ですから、貯蓄が手厚いならまだわかるのですけどね。何のために作られたのか、理解ができません。
やっぱり定期付終身保険と同じで、問題を感じざるを得ませんね。
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