かんぽ生命の「ご契約のしおり」に、興味深い点がありました。解約に関する説明をしている部分で、何とか解約を避けようとしているのです。
もちろん、「ご契約のしおり」ですから嘘は書けませんけどね。最大限、解約を思いとどまらせるような記述があります。
生保会社としては、一般的には、解約をさせないのは大事なことでしょう。でも、しおりまで使うかね。
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「ご契約のしおり」を使って解約を阻止
かんぽ生命の「ご契約のしおり」には、当然ですが解約に関する項目があります。具体的には「契約の解約と返戻金」という項で説明されています。
養老保険のしおりに関して、ちょっとこの説明を読んでみたのですが、何とか解約を避けようとしているのが良くわかります。
もちろん、かんぽ生命にとっては定期的に入ってくる保険料は大事な収入源です。解約を避けたいと思うのは当然のことです。
でも、かなり涙ぐましい努力をしているなという感じは強くしました。あるいは、ちょっと詭弁に近いのではないかという感じもします。
もちろんしおりには、嘘を書くことはできません。ですから、嘘にならない範囲で必至に説得している感じが強く伝わってきます。
具体的にこんな事が書かれていました
しおりの中で強く強調していたのが、解約が如何に不利なのかという説明です。例えば、次のような文言が並んでいました。
- 返戻金は多くの場合、払い込んでいただいた保険料の合計額よりも少ない金額となります
- 短期間で解約した場合は、返戻金がまったくないか、あってもごくわずかです
こうやって読むと、解約することはすごく不利な感じはしますよね。
嘘ではないが偏っている
もちろん、ここに書かれていることが嘘とは言いません。でもちょっと大げさな表現をしているなという感じはします。
あるいは、物事の1面だけを強調しすぎていると言う感じでしょうか。とても偏った記述に感じます。
確かに契約してすぐに解約したら、戻ってくる保険料はほとんど無いでしょう。これは、 しおりに書いてあるとおりです。
でも、例えば満期の直前で解約したら、元本割れする事はあまり無いはずです。仮に満期の直前に解約しても元本割れするのであれば、満期になっても対して増えないことになります。
読んだ人に解約は不利であると言う印象を与えている気がするのです。
更に言うと、解約して違う金融商品にした方が有利という可能性を完全に無視していますね。多少元本割れ仕様が、さっさと解約して、違う金融商品に乗り換える方が有利という事も少なからずあり得るのです。
引き止めることが分かっていてコールセンターに連絡しろと?
とにかく、まずこんな感じで、保険の解約が不利なような印象をまず与えます。そしてその後に、思いとどまらせるように次のようなことが書かれています。
- 契約いただいた生命保険は、お客さまご本人やご家族の生活保障、資金づくりなどに役立つ大切な財産です。ぜひとも末永くご継続ください
- 継続を迷われた場合は、郵便局、当社の支店、またはかんぽコールセンターまでお気軽にご相談ください
こんな感じで、思いとどまるように仕向けるわけです。
これもまったく間違っているとは言いませんけどね。やっぱりちょっと大げさかな。
養老保険の場合は貯蓄の意味合いが強い保険ですからね。一般的に家族の生活保障は、養老保険以外を使って準備することが多いです。資金作りは養老保険以外の金融商品だって出来ることです。
そして、コールセンターや本支店に相談したら、引き止められるに決まっていますよね。それが分かっていて相談しろということでしょうか。
本当に解約するのが良いかどうかはトータルで考えよう
さて、かんぽ生命のしおりで書かれているように、解約は本当に不利なことなのでしょうか。
個人的には、養老保険は無理をしてまで継続するような保険だとは思っていません。ですから、一時的に元本割れをすることになっても、解約していいのではないかと思っています。
結果的に解約したほうが有利ということもあると思うのです。
手持ちのお金が無い時は、借金するより解約したほうがいいことも
例えば、一時的な比較的大きな出費が近い将来に予想されたとします。子供の大学進学費用や車の購入費用などを考えるとわかりやすいでしょうか。そして、手持ちのお金が無くて、養老保険の解約をしないのなら、どこかからお金を借りてこないといけないとしましょう。
こんなケースなら、多少元本割れをしようと、さっさと解約をすべきですよね。片方で貯蓄しながら片方で借金をするなんて、愚の骨頂です。普通は養老保険の予定利率よりも、借り入れの金利の方が遥かに高いですから。
まあ、このような場合は、生命保険を担保に生命保険会社からお金を借りることもできますけどね。そうするよりは、解約してしまうほうが賢いでしょう。特に、予定利率が低いときに契約したものなら。
有利な商品に乗り換えるために解約することもある
市場環境の変化により、解約したほうが有利と言うケースもあります。例えば市場金利が上がって、もっと有利な金融商品が販売されるようになったような場合です。
こんな場合も、多少の元本割れはあっても有利な条件の商品に乗り換えた方が良いケースが多いでしょう。一時的に元本割れをしても、その後のリターンで結局プラスになるからです。一旦契約したと言う理由だけで、不利な商品にしがみついてはいけません。
現状維持バイアスに気をつけて
状況しだいだとは思いますが、解約するのは必ずしも悪いことでもなければ、不利ともいえないと考えるべきでしょう。あるいは、解約した方が有利ということだって、珍しくはありません。
人間には、一度契約したたものは続けたいと言う傾向があるようです。これを現状維持バイアスと言います。
この現状維持バイアスがあるために、正しい選択を出来ないというケースはよく見ます。
一度初めたものは継続したいという気持ちは、わからないわけではありません。でも、その選択が正しいものなのかは、自分に問い直してみる必要は有るでしょう。
意外と難しいことですけどね。
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