金利と利率は非常に似ている言葉です。というか、同じ意味で使われることも多いです。
ただ、明確に異なった使われ方をすることもあるようです。そのあたりを簡単に確認しておきましょう。

利率とは
まず、利率の意味から確認しておきましょう。金利に比べて利率という言葉の方が定義が細かいです。
利率というのは、元本に対する利息の割合を示す言葉です。例えば元本100に対して利息が1だったら、利率は1%ということですね。
期間を考えるのが重要
利率を考えるときに重要なのが、どの程度の期間に対する利息の割合なのかという点です。
例えば、1年間につく利息の割合という意味で、年利という言葉を使います。1年で元本100につき1のリターンがあれば、年利1%ということですね。
あるいは、1日につく利息の割合は日歩(ひぶ)と言われます。
ちなみに、特に断り無く利率という場合は、年利をさすのが一般的です。つまり、「利率」という言葉が「年利」を指す場合もあるという事ですね。
金利とは
金利というのは、実は非常にあいまいな言葉です。ですから、文脈でどういう意味かを判断する必要があります。
まず、利率という意味で使われることもあります。例えば預金で「金利3%」などと書いてある場合は、利率という意味ですね。特に年利を指しています。
また金利は、利息という意味で使われることもあります。例えば、「住宅ローンの返済で全部で1,000万円の金利を払った」なんて言い方もします。あるいは、「毎年1万円の金利収入がある」みたいな言い方もします。ここで使っている「金利」は「利息」で置き換え可能ですね。
このように「金利」という言葉は、2つの意味で使われることがあります。ただ、意味合いは文脈で判断することが可能ですから、普通は誤解することは無いでしょう。
「利率」「利息」という方が望ましいでしょう
ただ、投資のパフォーマンスを議論するときには、利率という言葉を使ったほうが良いかもしれません。そのほうが誤解が無いはずです。
また、利息という意味で使うときも、利息というべきでしょうね。「金利=利率」だと思っている人も少なからずいるでしょうから。誤解を避ける言い方をするのが大事でしょう。
英語に訳すとどうなるの?
ちなみに、プログレッシブ和英中辞典によると、「利率」は英語で書くと”the rate of interest” です。また、金利に関しては次のような説明があります。
〔利子の割合〕interest rates; 〔利子〕interest
“interest rates” というのは、まさに利率のことですね。つまり「金利」という語は、文脈によって、「利率」と「利息」の2つの意味で使われているということです。
ということで、英訳をみても、この解釈で良いようです。
金融機関でも扱いはいいかげん
厳密な定義は上で示した通りです。金利というのは曖昧な語で、極力避けたほうが良いのです。
しかし実際には、「利率」よりも「金利」の方が頻繁に使われるようですね。金融機関などでもその傾向があるようです。金利のほうが馴染みがあるということでしょうか。
例えば、銀行のサイトの中でも、利率よりも金利という単語が使われているようです。その証拠に、Google で「金利」で検索してみると、次のようなページが見つかります。
- 金利一覧-ゆうちょ銀行
- 円預金金利 | 三菱東京UFJ銀行
- 金利のご案内 – 円預金|住信SBIネット銀行
- 金利情報 | 関西アーバン銀行
メガバンクからネット銀行まで、一般向けには「利率」ではなく「金利」という言葉を使っているわけです。
ちなみに、横浜銀行のように「利率一覧|横浜銀行」という使い方をしている銀行も一部ありました。ただ、圧倒的に少数派のようです。
分かりやすさを優先するなら、金利なのでしょうね。意外と難しい問題なのかもしれません。もしかしたら、深い考えなしに、各銀行が適当に言葉を選んだのかもしれませんが。
スポンサードリンク
貯蓄用の口座には住信SBIネット銀行がおすすめ
貯蓄を始めるには、専用口座を持つのが一番です。しかも、自動的に積立てることが出来るようにしておくと、成功の確率が高まります。
貯蓄のための機能が充実したのが、住信SBIネット銀行です。貯蓄目的別のミニ口座を持てるほか、他行から定期的に引き落とすして積立てることも出来ます。

スポンサードリンク





関連した記事を読む
- 債券の表面利率は額面金額に対する利率
- 貯金と預金の違い| ゆうちょ銀行上場後はどうなる?
- MMF とMRF の違いは何だろう?
- 国債と定期預金の違いは何だろう?| お金を借りているのは誰?
- 「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の違いを知ろう| 経済統計などを読むときには必要な知識です