個人投資家が既発債1 を買う機会というのは、それほど多くはないようです。というか、そもそも、個人が既発債の情報を集めようと思っても、なかなか集めることができませんからね。
情報すらないわけですから、買おうと思っても買いようがありません。よほどのお金持ちで、証券会社の営業と懇意であれば、購入する機会もあるかもしれませんけど。
それでも最近は、個人向け社債が増えてきたせいか、多少は取引があるようですけどね。ただ、新発の債券と比べると、購入する機会は限られてくるでしょう。
まあ、機会が限られたからといって、そんなに困るものではありませんけど。
外債なら既発債の取り扱いが豊富
しかし、外債に関して言えば、個人投資家が既発債を買うのも難しくは無いようです。ネット証券などは、個人投資家に対して既発債を売るのに熱心なようですから。
例えばこれを書いているタイミングだと、SBI証券の既発債の外債の取り扱いは7本あります。それに対して、新発債の取り扱いは3本しかありません。
ということで、既発債への投資に興味がある人は、検討してみてはいかがでしょうか。もっとも、既発債だから特に何か有利というわけでもありませんけどね。
利回りの計算が難しくなるので注意
既発債に投資するときにちょっと気をつけたいのが、利回りの計算がちょっと難しくなるという点でしょう。
新発の利付債なら、発行から償還まで債券を保有する限り、利回りの計算はそんなに難しくありません。発行価格がわかれば、簡単に計算することができます。
それに、額面と発行価格が大きく違う事も少ないでしょうから、額面に対する利回りだけ把握しておけば十分という事が多いでしょう。個人の場合は。
しかし既発債の場合は、額面とは大きく違う金額で債券を買う可能性が大きいわけです。かなり大きく違う事もあります。
長期金利などの市場環境が変化しているというのもありますし、新発債より償還までの期間が短くなっているからです。
償還までの期間が短くなると、比較対象が、短い期間の債券となるのです。例えば、10年物の債券として発行しても、償還まで残り5年しか無ければ、他の5年物の債券と比較して考えないといけないですよね。
ですから、実際の利回りの計算をしようと思うと、多少面倒なのです。新発債を買って持ち続けるというような、お気楽な運用はできないわけですね。
まあ面倒といっても、単利で計算するのなら、小学生レベルの算数で事足りますけどね。考え方さえわかってしまえば、大きく間違えることも無いでしょう。
しかしそれでも、一応の理屈を理解して計算するという手間はかかりそうですね。
2017年12月追記:円建ての既発債も売られていました
SBI証券のサイトをチェックしていたら、「第51回ソフトバンクグループ株式会社無担保社債」という既発債が売られていました。円建ての債券の既発債が個人投資家向けに売られるなんてあるんですね。ちょっとびっくり。
まあ、SBI証券だからソフトバンクの社債を扱っているという事情があるんでしょうけどね。
それにしても、個人投資家に既発債を売らないといけないソフトバンクって大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配になりますね。
まあ、この会社に関しては、創業当初から一か八かの勝負に勝ってきたみたいな感じですからね。財務的な不安はずっと付きまとっていますけど。
- すでに発行されている債券のことをいいます。要するに中古です。ただ、マンションや自動車とかパソコンのように、中古だからといって有利になったり、不利になったりというわけではありません。 [↩]
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