債券に関する解説書や債券の資料を読んでいると、表面利率という言葉を見かけることがあります。とても重要な用語なので、正確に理解するようにしましょう。
表面利率とは
まず正確な定義を見てみましょう。財務省のサイトでは、表面利率について次のように説明しています。
「表面利率」は「利率」または「クーポンレート」とも呼ばれ、利付債について半年毎に支払われる利子の大きさを表すものです。具体的には、固定利付債は額面金額に対する1年分の利子がパーセント表示で示されており、例えば額面金額100万円につき1年間に2万円(半年毎に1万円ずつ)の利子が支払われる場合、表面利率(利率、クーポンレート)は2%となります。国債の表面利率は、その国債が発行された時の市場の実勢により決定され、償還まで変わりません。1
なんだかわかりにくい説明ですね。頭が良い人の文章って言うのは、どうも読みにくくていけません。
要するに表面利率というのは、額面金額に対して何パーセントの利息が1年で戻ってくるかという数字です。例えば、額面5万円の債券で、1年間の利息が500円だったとします。このとき、表面利率は5%となるわけです。
とりあえず、こんな理解で良いでしょう。
財務省のサイトの説明にもあるように、表面利率は「利率」または「クーポンレート」とも呼ばれます。この呼び方もあわせて覚えておきましょう。
額面金額とは
ちなみに、表面利率を計算するときに出てくる「額面金額」ですが、これはどんなものなのでしょうか。
額面金額は、債券に書かれている金額のことです。売買する際の最低単位のことを言います。「この額の整数倍の金額で買えますよ」ということですね。
ただ、実際には、債券は額面金額で取引されるわけではありません。というのも、債券を実際に売り出した際には、発行価格という価格で取引がされるからです。この発行価格は、額面と異なることも珍しくありません。
その後も、市場で取引される債券の価格は時価で決まります。
ということは、額面金額は、あくまで参考値程度の意味しか持たないわけです。少なくともすでに発行された債券の売買に関しては、直接的には意味がありません。債券の価格を決めるときに、影響はありますけどね。
ただ、債券が償還されるときには、額面金額は非常に大きな意味があります。というのも、償還されると投資家のところに、額面金額が戻ってくるからです。
つまり、額面金額というのは、償還まで持っていた場合に戻ってくる金額という意味があるわけです。
表面利率は実際の利回りでは無い
表面利率に関して大事なポイントは、表面利率と実際の利回りは異なると言う点でしょう。
上で説明したように表面利率というのは、あくまで額面金額に対する利率です。しかし前のページで見たように、発行価格と額面金額はことなる場合も多いです。また、既発債の取引価格も発行価格とは異なるのが普通です。
ですから、表面利率だけを見て損得を論じることは出来ないわけです。特に超長期の国債の場合、発行価格と額面金額が大きく違う場合もあるようです。
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