新発の債券の投資商品としての有利不利を考えるとき、応募者利回りを使って議論されるのが一般的でしょう。応募者利回りと言うのは、発行されたタイミングで買って償還まで持っていた場合の年平均利回りです。
ただ個人的には、パーセントで考えていると、投資の有利不利のイメージがしにくいのでは無いかと言う気がしないでもありません。感覚的に理解するためには、「実際にいくら儲かるのか?」という視点で考えた方が便利でしょう。
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パーセントで考えると市債はびっくりするほど有利な商品に思える
例えば前のページで、国債と市債の金利差についてご紹介しました。具体的にどんな数字だったかと言うと、5年物国債の利回りが年0.086%だったのに対し、川崎市の5年物の市債の利回りは0.163%でした。
これだけを見ると、明らかに川崎市の方が有利ですよね。単純に金利だけで見ると2倍も違うので、全然リターンが違うという印象を持つ人が多いでしょうか。でも、どのくらい有利なのかはちょっとわかりにくい感じもするのです。
具体的な金額で考えると大差がない気もしてきます
そこでこれを、具体的な金額を用いて比較してみましょう。わかりやすくそれぞれに100万円を投資したとします。
100万円を5年物国債に投資した場合、1年あたりのリターンは860円です。金額が少なすぎでは無いかと感じた人もいるかもしれませんが、計算間違いではありません。間違いなく860円です。
100万円の1%が1万円、0.1%なら1000円ですよね。応募者利回りが0.1%を下回っているのですから、860円で間違いないのです。
次に100万円を川崎市債に投資した場合、1年あたりのリターンは1,630円です。応募者利回りが2倍くらいちがいますから、1年あたりに貰える額も2倍違って当然ですよね。
金額で見ると大差が無いように感じるでしょう
さて、この数字を見て、あなたはどう思いますか?
100万円も投資したのに、1年で1,000円前後しか戻ってこないわけです。この程度だと2倍の差があろうが無かろうが、実質的にはたいした違いは無いですよね。1年間でどこかでランチを1回する程度の差しかつかないわけです。
だったら、面倒な市債なんて利用しないで、買いやすい国債を買おうと思うのが自然な反応では無いでしょうか。うまいタイミングで市債が買えたら、買っても良いかなあという程度でしょう。
もっと言うと、たった860円のために国債を買うのも面倒だと感じる人もいるかもしれません。手続きするだけでも面倒ですよね。だったら「普通預金でも良いや」という人もいるはずです。
こんなふうに、実際の金額で考えると、かなりイメージしやすくなります。
投資額が変わると印象も違う
ちなみに、投資する金額が違うと、だいぶイメージも変わってきます。例えば投資するのが10倍の1,000万円だったら、受けるイメージも違うでしょう。8,600円のリターンと1万6300円のリターンなら、結構大きな差だと感じますよね。このくらいの差がつくのなら、ためしに市債を買ってみようかという人がいても不思議ではありません。
何にしても、パーセンテージではなく金額ベースで考えると、判断がしやすくなることがわかると思います。
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