ニュースサイトなどを見ていると、「○○の額が国内で総額△兆円に!」というような記事を見かけることがあります。こういう場合って、額の大きさに、感覚的に実態を掴むのが難しいと感じる人も多いはずです。そこでおすすめなのが、出てきた数字を1億で割ってみることです。国民1人当たりの大体の額が分かるので、理解がしやすくなることが多いでしょう。
「使われていない宝飾品に使われる貴金属の総額が3兆円| 一人当たりいくら?」
一つ例を見てみましょう。
田中貴金属の調査によると、日本国内の使われずに保存されている宝飾品から貴金属を取り出すと、総額3兆円と推計できることが分かったのだそうです。金や銀、プラチナだけの価値だけで3兆円あるということですね。1
このニュースだと、3兆円という額が大きすぎて、率直に言ってピンとこない人が多いでしょう。何となく大きな額なのは分かっても、家計にどの程度のインパクトがあるのかは分かりません。
こんな時には、3兆円を日本の人口でわって、一人当たりの額を出してみるといいのです。日本の人口を大雑把に1億人とすると、1人当たりの額が3万円であることが分かります。
貴金属を持っているのがほとんど女性だとすると、女性1人当たりで大体6万円くらいでしょうか。さらに、大人だけに限定すると、もう少し増えるという感じです。それでも、10万円以下というところでしょうね。
ここまで考えてみると、かなりイメージがはっきりしてきますよね。「大人の女性1人が持っている使わない宝飾品に付いている貴金属が10万円弱」というのは、私たちが持っているイメージとそれほど大きな乖離は無いでしょう。
さらにいうと、こういうケースで平均を計算すると、富裕層が数字を引き上げる傾向があります。今回のケースだと、富裕層と呼ばれる人の中には、1人で数百万円とか数千万円分を持っている人も少なくないでしょう。そこまで考慮すると、中央値はもっと低いことになると考えるのが自然です。
ということで、1人当たりになおしてみると、特になんでもない数字ということがわかるわけです。
数字を大きく見せるために日本全体の数字を使う場合も
上の例を見ると分かるように、総額で数字を見ると、実態よりも数字が大きく見える傾向があるようです。1人3万円と言ったらたいした額だとは思いませんが、総額で3兆円と言うと巨額というイメージがありますよね。
今回の記事はそうした効果を狙っているわけでは無いとは思いますが、大きい額だと思わせるために意図的に総額のみで表現する場合もあるようです。わざと感覚的に分かりづらい数字を出すことで、ニュースの受け手に誤った印象を与えようと思うのです。
例えば2014年の衆院選前に、国政選挙の選挙費用が総額で600億円になるなんていうニュースがありました。これは国民1人当たりで考えると500円です。コンビニ弁当1回分のコストでしかないわけですね。
もちろん、1人500円でも高いと思う人もいるでしょう。でも、500円で権利の行使ができるのなら、決して高くはないと思う人も多いはずなのです。政権を選ぶ選挙というのは、生活がかかった大事なものですからね。
少なくとも1人500円というのは、総額の600億円という大きな数字よりは、イメージがしやすいはずです。ですから、親切心がマスコミに少しでもあるのなら、あわせて載せておくべき数字のはずです。
ちなみに、このニュースは政権批判を意図したものでした。ですから、1人当たり500円という数字が一緒に紹介されることはありませんでした。600億円も無駄遣いだという報道に終始していたわけです。
- 家庭に3兆円「埋蔵金」=使わない貴金属、女性8割保有―業者調べ
時事通信 2015年2月7日 [↩]
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