シティグループの日本でのカード事業であるシティカードジャパンを、三井住友信託が買収することが決まったそうです。買収金額は400億円規模という事です。1
シティバンク銀行の個人向けの業務は、日本から撤退することが決まっています。それに関連した動きという事でしょう。
若い世代の富裕層の取り込み
記事によると、三井住友銀行の思惑は次のようなものなのだとか。
三井住友信託銀は顧客にシニア層が多い一方、シティは30―50代が中心という。岩崎信夫副社長はカード事業の強化にとどまらず、「(買収を)テコにこれまで以上に若いお客さまに信託銀行らしい商品を提供したい」と語った。
弱い部分を補強できるので、メリットが大きいという判断だったようですね。
またシティの顧客は、富裕層が多いと考えられている側面もあります。
シティの日本法人「シティカードジャパン」は約80万人の会員を抱える。資金に余裕がある顧客が多いとされ、会員だけが参加できるイベントなどの特典で支持を広げてきた。2
優良な顧客を取り込めるメリットがあると考えているのでしょう。これは富裕層向けのサービスが多い信託銀行としては、自然な発想であると言って良いはずです。
基本的には現状のサービスが利用できそう
ちなみに、カード利用者にとっては、当面は大きなデメリットは無いようです。というのも、「シティが展開してきた『シティカード』や『ダイナースクラブカード』の基本サービスは維持される方向」だからです。
基本的には、大きな部分では現状維持ができるという事で、すぐに利用者が離れていくということは考えにくそうですね。ただ長期的に見ると、シティバンク系列で無くなってもサービスを維持し続けるかは疑問な点が無いわけではありません。
三井住友銀行は優良顧客の顧客名簿を買ったという考え方も
信託銀行の主な業務は、富裕層を対象にしたものです。その意味では、シティカードの買収には、手っ取り早く優良顧客を集めるという意図があったと考えても良いでしょう。
カード会社としては、当然ですが、会員情報も手に入れられるわけです。それを使って営業すれば、かなり効率的に営業ができると考えて良いはずですよね。
ちなみに、三井住友信託銀行の三井住友トラストカードの利用者は約20万人なのだそうです。一方で、「ダイナースクラブカード」と「シティカード」の会員は約70万人います。かなり効率的に顧客名簿を手に入れたと考えても良いはずですよね。
三井住友信託銀行が、この買収を期にリテール部門を強化できるのかという点も、今後注目したいポイントですね。
- 三井住友信託銀行、米シティ日本法人のシティカードジャパンを400億円で買収
日刊工業新聞 2015年04月01日 [↩] - シティのカード事業、三井住友信託が買収へ 富裕層狙う
朝日新聞デジタル 2015年3月28日 [↩]
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