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「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の違いを知ろう| 経済統計などを読むときには必要な知識です

銀行などの預貯金は、「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の3つに大別することが出来ます。それぞれどんなものなのでしょうか。そして、その違いを知っておく必要があるのでしょうか。

銀行預金は3つに大別出来る

銀行の預金は、機能的に3つのタイプに分けることができます。より正確に書くと、解約の自由度から見た場合、預貯金は3つに分類することが出来ます。解約の自由度というのは、言い換えると、流動性とか換金性のことですね。

「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の3つです。

ただ、一般に生活していると、これらの言葉を見聞きすることはまずありません。それぞれどんな預金なのでしょうか。そして、これらの分類は覚えておく価値があるのでしょうか。

要求払預金とは

要求払預金というのは、預金者がいつでも払い戻しを要求できる預金です。要求すれば支払われる預金ということで、要求払預金というわけですね。

この性質から分かるように、普通預金は要求払預金の一つです。まあ、口座の名義を持っている人が亡くなったときなどは、一時的に引き出しが出来なくされてしまうこともありますけどね。

当座預金も要求払預金ですね。他にもいくつかの要求払預金がありますが、代表的なのはこの2つでしょう。

要求払預金は流動性が高いので、要求払預金の中でも普通預金は、公共料金等の自動引落に利用できます。もっとも最近は、公共料金の自動引き落としには、クレジットカードなどを使っている人も多いかもしれませんが。

また、総合口座(普通預金と定期預金をセットにした口座)にしておくと、定期預金を担保に自動融資を受けることも可能です。例えば、定期預金残高が100万円で普通預金の残高が3万円というような状態でも、20万円を引き出したり出来るのです。定期預金の100万円を担保に自動的にお金を貸してくれるわけですね。もちろん、お金を借りていることになるので、金利は取られますけどね。

定期性預金とは

定期性預金というのは、預け入れ期間が決まっていて、原則として期日前に引き出せない預金のことを言います。これに関しては、字面通りという感じですね。

ちなみに、誰もが想像する通り、定期預金は定期性預金の一種です。厳密に言うと、日本の定期預金は期日前の引き出しも可能ですけどね。

また、定期積金も定期性預金です。定期積金というのは、銀行預金を使った積み立て商品です。定期預金と同じく、満期が決まっています。

教科書的な説明によると、要求払預金と比べると、定期性預金は相対的に利回りは高く設定されています。と言っても、10年ものの国債の金利がほぼゼロという状況ですから、要求払預金と定期性預金の利回りの差は、それほど大きくはありませんけどね(2018年8月現在)。

また、定期性預金は一定期間預ける事を前提とした預金ですから、中途解約をすると当初設定した金利よりも低い金利になります。約束を反故にしたわけですから、ペナルティがあるわけです。海外の銀行だと、定期性預金は中途解約が出来ない場合すらあります。

このあたりの説明も、かなり微妙なんですよね。ゼロ金利に近い状態が続いていますから、ペナルティで金利を下げられたところで、痛くも痒くもありません。まあ、あくまで、教科書的な説明ということで。

譲渡性預金とは

3つの語の中で一番理解が難しいのが「譲渡性預金」でしょう。CDとも呼ばれます。CDは、certificate of deposit の略です。

億単位の預け入れを前提とした金融商品で、中途解約が出来ない代わりに預金証書の売買は自由に出来ます。つまり、現金化したければ預金証書を売ってしまえば良いわけです。例えば、1億円入っている預金口座を、1億円で他人に譲ってしまう事が出来るというようなイメージです。

譲渡できる預金だから、譲渡性預金というわけですね。ちなみに、最近は、1億円を切る額で預け入れが出来るケースも増えているようですね。1,000万円から(中国銀行)とか、5,000万円から1,000万円単位(遠州信用金庫)といった額で預け入れが出来るという例を見つけました。

ウィキペディアに「銀行が発行する『超高額紙幣』と考えるとわかりやすい」とありましたが、確かにこの考え方は分かりやすいかもしれません。銀行が発行する1,000万円札とか1億円札だと思えば良いわけです。高額の支払いで利用するのに便利です。

金額から分かるように、主に法人の資金運用に利用される預金です。率直に言って、私たちがお目にかかることは無いでしょう。その手の業務にでも携わっていれば別でしょうが。

日常的に使われる語なのか?

さて、「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」という用語は、日常的に使われる語なのでしょうか。ちょっとチェックしてみましょう。

具体的には、それぞれの語でYahoo!ニュースで検索してみます。一般向けのニュースの中でどの程度使われているかが分かれば、日常的な使用頻度もなんとなく見えてくるでしょう。

「要求払預金」はほとんど使われない

まず、「要求払預金」ですが、Yahoo!ニュースでは記事は一つも見つかりませんでした。「要求払い預金」にしても見つからなかったので、この単語は一般では日常使われない単語と判断して良さそうです。

「定期性預金」は投資系の記事では使われる

「定期性預金」で検索してみたところ、2件の該当する記事がありました。いずれも雑誌系のサイトのようですね。

ちなみに、一つがZUU online というところの記事で、もう一つがマネーの達人というところの記事でした。どちらも、一般向けに投資情報を提供しているサイトです。

「譲渡性預金」がもっとも使われている

3つ目の「譲渡性預金」ですが、13件の該当記事がありました。「譲渡性預金」に関しても「定期性預金」と同じく、新聞記事では一度も出てきませんでした。投資系の記事と個人が提供している記事で使われているだけです。

3つとも一般的な用語ではない

ちなみに「普通預金」「定期預金」で検索すると、それぞれ75件と125件でした。どちらの語も、「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の3つと比べると使用頻度はかなり高いようです。

というか、「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」の3語は一般向けの情報ではほとんど使われていないということなのでしょう。その意味では、専門用語という認識で良さそうです。

省庁や日銀の資料を読むには必要な知識

一般向けの媒体ではあまり使われない「要求払預金」「定期性預金」「譲渡性預金」という分類ですが、個人投資家は知らないでも良い知識なのでしょうか。実は、必ずしもそうではないようです。

実はこれらの分類は、省庁や日銀が出してくる資料では普通に使われているのです。ですから、用語を知らないと資料の中身を理解することは出来ません。

率直に言って、新聞の経済記事はあまり信頼できない部分も多いです。最終的に数字の裏を取りたいと思ったら、公的な機関が出してくる資料で数字を確認するしかありません。そういったときに、単語の意味が分からないと、確認することも出来ないでしょう。

ですから、個人的には、この程度の用語は知っておいた方がいいのではないかと思います。ただ、そこまでの関心がないという人なら、必ずしも覚えておく必要は無い語だとは思いますけどね。

まあ、上に書いたとおり、比較的マニアックな用語であるのは事実です。

あ、でも、CDくらいは知っておいたほうが良いかもしれませんね。資産運用や経済統計関連の用語として、時々登場することがあります。

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