損保会社でも積み立て型の商品を扱っています。例えば、損保ジャパン日本興亜では「THE みらいの積立保険」という商品の扱いがあります。
ちなみに、これは保険の種類で言うと、年金払積立傷害保険と呼ばれる保険にあたります。貯蓄部分の基本的な考え方としては、毎月保険料を積み立てると、満期になったときに年金の形で保険金が受け取れるというものです。
保険の機能としては、傷害による死亡や後遺障害に対して、保険金が支払われます。
どのくらい戻ってくるのでしょう
この保険で積立をした場合、どのくらいのお金が増えて戻ってくるのでしょうか。損保ジャパン日本興亜のサイトでは、次のように説明されていました。
例えば、ご契約年齢30歳で毎月1万円の保険料を60歳までお払い込みいただいた場合、お支払いする給付金の戻り率は約108.1%。
戻り率という言葉はちょっと分かりづらいですが、要するに、積み立てた保険料の合計と、年金として受け取る合計の比になっています。正味100万円分積み立てると、30年かけて108.1万円が返ってくるというわけですね。
個人的には、この説明を読んで本当にびっくりしました。数字が間違っているのではないかと思ったくらいです。
だって、30年ですよ。30年もかけて8%しか増えないなんて、何かの手違いだとしか思えません。最初、何か勘違いしているのかと思いましたから。
常識的に考えれば、インフレに負ける確率も大きいでしょう。つまり、時間をかけて貯蓄をして、お金が目減りするわけです。
こんな馬鹿な話はありませんよね。
ちなみに、これを書いている時点の契約の話なので、今後数字が変わる可能性はあるはずです。もう少しマトモな条件になることを期待しましょう。
保険ならではの使い勝手の悪さ
しかも、保険をベースにした貯蓄商品ということで、使い勝手が悪い部分もあります。短い期間で解約すると、元本割れする可能性もあるのです。
実際、損保ジャパン日本興亜のサイトでは、次のような説明があります。
解約返れい金の額は、ご契約内容および解約時期により異なり、多くの場合、払い込まれた保険料を下回ります。
つまりこの保険は、簡単に解約が出来ない保険ということです。仕組の上で解約が出来ても、元本われをするのなら別のところからお金を集めようと思うはずですからね。
流動性が低い上にリターンが小さいということです。かなりオブラートに包んだ言い方でも、「ちょっと選びづらい保険」という感じです。
有利なプランだと見せようとしている
ちなみに、損保ジャパン日本興亜は、このプランを有利なものだと見せようとしています。なにせ、「特長1 ご満足いただける戻り率」なんていう記述があるくらいですから。
これで満足するって、どんな人なのでしょうか。ちょっと想像できないのですけど。満足するのは、保険会社くらいでしょうね。
仕方が無い部分はある
もっとも、こんなふうな商品設計になるのは、致し方ない部分はあります。
確定型であることと、現在の金利を考えれば、それほど契約者に有利な商品は作れません。しかも保険機能も入りますから、この程度のリターンなのは仕方が無いでしょう。
もっとも、現在の日本では、死亡保障つきの傷害保険がどの程度必要なのかという別の疑問もあるんですけどね。必要が無いものをくっつけたために利回りが下がるなら、本末転倒というものです。
何にしても商品としては売らないといけませんから、「ご満足いただける戻り率」などというコピーを考えたわけです。このコピーを考えた本人だって、「誰が満足するんだよ!」と心の中では思っているに違いありません。
心中察します。
この商品じゃないよね
ここまで書いてくれば、結論は簡単でしょう。少なくとも私は、この保険は勧めません。
実際、この保険に入る人ってどの程度いるのでしょうか。少なくとも市場金利が低い今の時期は、契約者もあまり多くは無いでしょうね。
おそらく、保険として残してあるからサイト内でも扱っているという程度の位置づけなのでしょうね。それほど本気で売る気があるとも思えませんし。
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