ご存知の方も多いでしょうが、ゆうちょ銀行の預け入れの限度額は、長い間1,000万円に固定されています。民営化した今のタイミングで、その限度額を引き上げようと言う動きがあるようです。
ゆうちょ銀行の民営化の前には、2,000万円まで引き上げるという議論が
されていました。ただ、これに関しては、民間の金融機関が民業圧迫であるとして強く反発していました。
そして毎日新聞によると、近い将来の引き上げを目指して現在具体的な検討がされているようです。
ただ、限度額は2,000万円から1,500万円まで減らすようですね。民間の金融機関に配慮して金額を減らしたのでしょう。
政府がゆうちょ銀行の預け入れ限度額を現行の1000万円から引き上げる方向で検討に入ったことが1日、分かった。政府の郵政民営化委員会(委員長・増田寛也元総務相)が年内にも「引き上げ容認」の見解を示す方向だ。見解が出れば、総務、金融両省庁が引き上げ幅などについて調整し、年明けに必要な政令改正手続きに入る。1
ちなみに、この前に引き上げがあったのは1991年で、そのときには700万円から1,000万円に引き上げられたようですね。
本当に民業圧迫があるのかは疑問
実際に限度額を1,500万円に増やすということになれば、当然ですが、民間の金融機関の反発があるでしょう。ゆうちょ銀行に預金者を取られると言う批判が出てくるはずです。
でも、本当に民業を圧迫するような影響はあるのでしょうか。
常識的に考えると、影響はあっても軽微なものだと思うんですよね。まあ、少しでも損だと思えば、一応反対の姿勢はとるのでしょうけど。
仮に限度額が1,500万円まで上がったとしましょう。このときに、ゆうちょ銀行に口座を移したり預金の一部を移したりするのは、どんな人たちなのでしょうか。
おそらく、このことで口座を移す人は、他行に1,000万円以上の預金がある人たちでしょう。ゆうちょ銀行は倒産する確率が低いと考えれば、ペイオフの1,000万円よりも有利な条件になりますから。
民間の銀行などの個人口座で、1,000万円を超えているものは、それほど多くないでしょう。その1,000万円を超えるような人たちの中で、わざわざゆうちょ銀行に移そうとする人は、どれほどいるのでしょうか。
多分、億単位でお金を持っているような人は、1,000万円の限度額が1,500万円になったところで、わざわざ口座を移したりはしないでしょう。銀行の倒産を気にするのなら、個人向け国債でも買った方が手っ取り早いですからね。
となると、預金額が1,000万円台程度の人がゆうちょ銀行に移すかなあという程度の話と思われます。しかも、その中でも、実際に移すのはごく一部に限られるでしょう。
こう考えると、実際に民業圧迫をする可能性は、かなり小さいように思えるわけです。
個人が1,000万円以上の現金を持っているのが駄目なんじゃないだろうか
もっと言ってしまうと、1,000万円以上の現金・預金を持っているのは、個人の資産運用としては問題アリなのではないかと思ってしまいます。
例えば、それだけのお金を持っていれば、個人向け国債でも買った方がまだマシです。個人向け国債なら基本的に元本保証ですし、1年以上経過すれば中途解約も簡単です。さらに、金融機関の倒産の心配もありません。その上、金利も銀行預金と比べれば、だいぶマシなのです。
常識的に考えると、銀行預金は100万円もあれば十分でしょう。それ以外の部分は、少しでも有利なところで運用するのが賢いやり方です。
資産運用という観点で行くと、銀行に1,000万円以上預けている段階で、再検討の余地アリという感じがします。まあ、お金が有り余っているような人だと、銀行口座に放置しておくようなこともあるでしょうけどね。
- <ゆうちょ>限度額引き上げ検討 4月1500万円案が浮上
毎日新聞 2015年12月2日 [↩]
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