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外貨建ての一時払終身保険が銀行で売られている| 分散投資ができない不利な商品です

最近は、外貨建ての一時払終身保険という保険が流行っているようです。保険とありますが、資産運用に使われる金融商品と考えた方が良いでしょう。機能的に見ると、外貨預金に近い商品と言って良さそうですね。

ちなみに、保険と名前がついていますが、銀行で売られることが一般的です。完全に、銀行の預金者に的を絞った商品のようですね。その意味でも、外貨預金と近い商品と言えそうです。

あくまで個人的にという話ですが、私自身はこの手の保険が全くいいとは思えません。具体的にどんな商品で、どんなところが問題なのか確認してみましょう。

どんな保険なのか

まず、最初に、どんな保険なのか確認してみましょう。

外貨建て一時払終身保険という名前から、いくつかの特徴が分かります。「外貨建て」で「一時払い」の「終身保険」という事ですね。

とはいっても、保険に詳しい人以外は、「外貨建て」以外の部分はよく分からないでしょう。もちろん、もう少し詳しく説明していきます。

外貨建てとは

まず、「外貨建て」についてです。

これについては、分かっている人の方が多いでしょう。日本円以外の米ドルやユーロなどの通貨で売買されている金融商品の事です。

ですから、外貨建ての金融商品を買うには、いったん日本円を外貨に替えてから買う必要があります。まあ、実際には、日本円を外貨に替える部分は、個人投資家にあまり見せていない金融機関も多いのですけどね。

外貨建て商品なのに、日本円で買い付けが出来たりします。実際は、円を外貨に替えて購入しているのですが、その部分をある程度自動化して見えにくくしてしまうのです。

ちなみに、外貨建ての一時払終身保険の場合は、米ドル、ユーロ、豪ドル、ニュージーランドドル建ての保険があるようです。ただ、これを書いている時点だと、ユーロ建ては販売停止されているようですね。金利があまりに低いので、売れないと思われているのでしょう。

終身保険とは

次に「終身保険」とはどんな保険なのかをチェックしてみましょう。

終身保険は保険にそれなりに関心がある人なら、ご存知の保険だと思います。代表的な生命保険の一つです。

ただ、あまり保険に関心が無い方だと、知らない人が多いのかもしれませんね。

終身保険というのは、死亡保険の一種です。死亡保険というのは、誰か特定の人1 が亡くなると、保険金が支払われる保険の事を言います。

この保障が一生涯続くので、終身保険と言います。契約を途中でやめない限り、何歳でなくなっても保険金を支払う対象になります。

一時払とは

最後に「一時払い」とは何かですが、これは要するに、保険料の一括払いのことを言います。今回の一時払終身保険だったら、終身保険の保険料を最初に払い込んでしまうという事ですね。

馴染みが無い名前で戸惑うかもしれませんが、考え方としては難しくはありません。

ちなみに生命保険では、他にも全期前納という一括払いの方法があります。同じような保険料の支払い方に、2つも種類がある事の方が分かりづらいかもしれませんね。

まあ、制度として実際に存在するので仕方がありません。

外貨建て一時払終身保険とは

以上を総合して考えると、外貨建て一時払い終身保険の正体がわかります。簡単に言うと次のような商品です。

外貨で売買される死亡保険で、保障が被保険者が死ぬまで続く保険です。保険料は最初の段階で全額払いこまないといけません。

今、こんな保険が売れているようです。

一時払終身保険って、債券を買うのと大差がない

一時払終身保険という商品は、実は、債券を買うのとたいした違いはありません。特に、国債の金利が低いような時期はそうですね。

保険なのに保険料と保険金が大差ない

というのも、国債の金利が低い時期には、最初に支払う保険料と亡くなった時に受け取る保険金の金額に大きな差が無いからです。これは何故かというと、保険会社が運用したところで大して増やせないので、支払われた保険料と保険金の差を大きくするわけにはいかないからです。

終身保険は契約が続く限りは必ず保険金が支払われるので、掛け捨ての定期保険のように「小さい保険料で大きな保障」というわけにはいかないのです。

途中で解約をする場合は

終身保険を途中で解約すると、解約返戻金というお金が支払われます。被保険者が亡くなるまでに解約するような場合は、終身保険というのは大雑把に言うと、金利固定の金融商品のようなものです。というのも、解約返戻金というのは、予定利率という固定の金利でで計算されているからです。

厳密に言うと手数料がかかったり保険のコストがあったりするので、きれいに金利固定で増えていくわけではありません。ただ、根底にあるコンセプトの部分は金利固定商品です。解約した時点で、元本と利息を受け取るという感じですね。

実質的には債券と大差がない

仮に被保険者が亡くなった場合は、保険金の受取人は死亡保険金を受け取ります。とは言え、金利が低い時期には、払い込んだ保険料と大差がない金額なんですよね。特に、年齢が高い人が契約した場合はそういう傾向があります。

また、運用しても大して増えない、払い込んだ保険料と保険金額の差が小さいとしたら、金融商品として債券を買っているのと大きな違いはありませんよね。

その上、保険には結構大きな手数料が発生しているのです。上手に隠されているので、契約者にはなかなか見えませんが。手数料を払って債券を買う意味って、いったい何なのでしょうか。

外貨建て一時払終身保険は外貨預金や外債の購入と大差がない

「一時払終身保険」が国内債券と同じという事は、外貨建ての一時払終身保険は外債を買うのと大差がないことになります。外貨建ての商品だと日本の保険よりは予定利率が大きいので、多少は保険料に対して保険金が大きくなるとは思いますけどね。

でも、本質的には、外国債券を買っているようなものです。それほど大きな違いはありません。

そうであれば、何も保険として買う必要は無いですよね。例えば豪ドル建ての一時払終身保険に入るのであれば、オーストラリア国債なりなんなりを買えば良いわけですから。

分散投資が高い最悪の金融商品

しかも一時払終身保険ということは、豪ドル建ての債券とかニュージーランドドル建ての債券だけを買うのと同じ事になるわけです。当然ですが、保険という事は、結構まとまった額の保険料を支払う事になるでしょう。日本円で1万円とか2万円なんてことはあり得ません。

常識的に考えると、数百万円程度の保険料を支払うことになると思われます。豪ドルとかニュージーランドドルの外貨預金か債券を数百万円一点買いするようなイメージですね。

これって分散投資の観点からすると、最悪の選択ですよね。債券だけをまとまった金額で買うのもよくありませんし、日本円以外の一つの通貨の資産のまとめ買いも正しい判断とは言えません。

他に資産が何億円もあって、そのうちの数百万円を外貨建て一時払終身保険で運用するというのなら、まだ理解できますけどね。通常は、自分の資産のかなりの部分、数パーセントから数十パーセントほどを一つの外貨の債券に突っ込んでしまうようなこういなわけです。

金融庁からもお叱りを受けました

実は、外貨建て一時払終身保険に関しては、金融庁も苦言を呈しています。レポートの中で手数料が高すぎる商品としてかなり否定的な書かれ方がされているのです。平成27年の金融レポートというレポートですね。

そのレポートの中で、銀行の投資信託販売の手数料と生命保険販売の手数料を比較して、生命保険の方が販売額に対する手数料の割合が大きいという趣旨のことが載っていました。つまり、生命保険の銀行での主力商品である外貨建て一時払終身保険の手数料が高すぎるという事ですね。

具体的には以下のような表現です。

一時払い保険の販売手数料率が、投資信託等の金融商品と比べ、高めに設定されていることが挙げられる57。特に、外貨建一時払い保険の手数料は、複雑な仕組みの商品販売が増えていることもあり、年々上昇傾向にある。

ちなみに、銀行で売られている投資信託の手数料は、決して安くありません。はっきり言って、私だったら銀行が勧めるような投資信託は買いませんし、他人に銀行で買うように勧めることもしません。

また、銀行の人に投資信託の相談をする事すら避けるでしょう。彼らが売りたがっているのは、手数料が高い投資信託なのは明らかだからです。

そんなレベルの銀行の投資信託と比べても、保険の手数料が割高だと言っているわけです。その商品に対して、どう行動すべきかは明らかですよね。

相続対策なら円建ての終身保険でいいし、投資をしたいのなら投資信託で分散投資をした方が良い

はっきり言って、こんな商品に数百万円以上のお金を使うメリットはありません。もっと、目的にあった商品を使って運用すべきでしょう。

具体的には、相続対策として保険に入るなら、日本円建ての一時払終身保険に入るべきでしょう。インフレ対策まで考えるのなら、変額保険の終身型に入ってもいいかもしれません。

円建ての変額保険が優れた商品だとは言いませんが、外貨建ての一時払終身保険よりははるかにマシです。

資産運用と考えているのなら、手数料の安いインデックスファンドなどの投資信託を使って分散投資をする方が賢い選択です。投資信託を使えば、オーストラリアの債券だけでなく、世界中の債券や株式で分散投資できますからね。投資の常識だと、こちらの方が正しい選択です。


  1. 保険用語で「被保険者」と言います。 []

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