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財形年金貯蓄は微妙だね| 確定拠出年金(個人型)に節税効果で完敗の模様

老後のためのお得な仕組みとして、財形年金貯蓄という制度をご存知の方も多いかと思います。実際にこの仕組みを使っている人もいらっしゃるでしょうね。

ただ、個人が利用できる年金制度としては、最近は確定拠出年金(個人型)の方が注目を集めています。「iDeCo」という名前をつけて大キャンペーンをやっていましたね。

さて、この2つの制度では、どちらの方が有利なのでしょうか。イメージ通り、確定拠出年金の方が有利なのでしょうか。

ちょっとチェックしてみましょう。

財形年金のお得な点

財形年金貯蓄がお得な点は、利子などが非課税になるという点です。保険型の場合は385万円、貯蓄型の場合は550万円以下の元本に関しては、その利息に税金がかからないのです。

良いですか、利息に対する非課税ですよ。現在の金利の水準って、なんとなくわかりますよね。

現状は、ほとんどゼロみたいな金利です。こんな時に、利息に税金がかからないからといって、どんなメリットがあるのでしょうか。

実際に数字を当てはめて計算してみましょう

ダメ押しで、金額を挙げて計算してみましょう。

例えばこれまでに、500万円を元本として拠出しているとしましょう。金利が仮に0.1%だとします。現状だとかなりの高金利ですね。

さて、この場合、1年間の利息はどうなるかというと、500万円の0.1%の5,000円の利息となります。今のご時世で5,000円の利息なら、それほど悪くはありません。

そして、本来なら、この5,000円には約2割の税金がかかります。1 ということは、約1,000円の税金がかかるということです。

しかし、財形年金に入っていると、この1,000円に税金がかからないわけです。年間でランチ1回分お得というイメージでしょうか。

良いですか、現在の金利では考えられないくらい有利な条件で計算しても、500万円の運用にたいして1,000円の節税なのです。ちょっとかわいそうになる数字ですね。

確定拠出年金(個人型)の節税はこんな感じ

一方の確定拠出年金(個人型)はどの程度節税できるのでしょうか。こちらは、いきなり、ケーススタディをしてみましょう。

次のような仮定を置きます

今回は、仮に毎月2万円の拠出があるとして計算してみましょう。毎月2万円だと20年で480万円の拠出だから、上の例と対象者のイメージは近いと思われます。

ちなみに、確定拠出年金(個人型)の節税効果を知るには、加入者の所得税の税率が必要です。仮にここでは、ちょっと小さめに10%としておきましょう。

どのくらい節税できるのか、計算してみましょう

さて、この方は、年に24万円の拠出をしていることになります。確定拠出年金の場合は、この拠出の全額が所得控除の対象になります。

所得控除というのは、今回の場合だと、24万円年間の所得が小さいものといて所得税を計算してもいいという事ですね。所得が小さくなれば、当然ですが、それに応じて所得税も小さくなります。これが確定拠出年金の節税の効果です。

今回の場合だと、税率10%と想定していますから、24万円の10%の2万4000円分の節税効果があることになります。

ちょっと補足

大雑把なイメージとしては、大体こんな感じです。本当はもうちょっと複雑なんですけどね。

また、この方の税率は少し低めに見積もりましたが、一般のサラリーマンだと20%という事が多いでしょう。そうなると、節税効果は2倍の4万8000円になります。

高額所得者だと、さらに大きな節税が出来ます。計算すると僻みたくなるので、ここでは止めておきましょう。

財形年金貯蓄に甘めの想定でもこんな感じ

さて、はっきり言って上の計算は、財形根金貯蓄に有利になるような設定がしてあります。それでもこんなに差がつくのです。

もう、どちらを優先して使うかは明らかですよね。普通に稼ぎがある人なら、確定拠出年金(個人型)の方が遥かに有利です。

そもそも財形年金貯蓄が使えるような企業に勤めている人という想定です。ということは、それなりの稼ぎがある人なのでしょう。

そうであれば、拠出したお金が全額所得控除になる確定拠出年金は間違いなく有利な制度です。

財形年金貯蓄がそれなりに有利だった時代もありました

現状では、財形年金貯蓄は、正直に言って使えない仕組みです。確定拠出年金の拠出だけでは足りないというのなら、次にお勧めするのは現在なら「つみたてNISA」でしょう。

つみたてNISAの次は、普通の投資信託の積立かな。現在のように金利が低い時期は、株式投資は有利ですからね。

そもそも金利が低い時期には、財形年金貯蓄の出番は、かなり後の方です。

条件があえば節税効果も大きい

ただ、こんな財形貯蓄でも、ずっと不遇だったわけではありません。金利が高い時期にはかなりの減税効果がある優れた制度だったのです。

例えば、バブル期並みに金利が5%だったとします。そして、上と同じで500万円既に貯まっていたとしましょう。

この場合は、1年間の利息が25万円です。税率を20%として、本来なら5万円の税金がかかることになります。

財形年金ならこれが非課税になるわけです。つまり、毎年5万円得することになるわけですね。

こうなると、確定拠出年金と同じくらい優れた節税の仕組みと評価されるでしょう。所得が高ければ確定拠出年金の方がまだ有利ですが、それほど高所得な人でなければ、財形年金貯蓄の方が有利な制度となるはずです。

つまり、今財形年金貯蓄が不遇なのは、時代が悪いからという事なんですね。まあ、時代遅れの制度という言い方も出来なくはありませんけど。


  1. 厳密な税率は、以下のようになっています。

    利子所得は、原則として、その支払を受ける際、利子所得の金額に一律15.315%(他に地方税5%)の税率を乗じて算出した所得税・復興特別所得税が源泉徴収され、これにより納税が完結する源泉分離課税の対象とされています。

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