債券というのは、名前くらいは聞いたことがあるという人が多いでしょう。でも、今一つ実態が分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、とりあえず、理解するのに必要な最低限の知識について説明したいと思います。とりあえず、債券に投資するというのが、どんなことか分かればという感じですね。
債券とは何か
そもそも、債券とはどんなものでしょう?まず、辞書による定義を見てみましょう。
国・地方公共団体・公団・長期信用銀行などが、資金調達の手段として発行する有価証券。国債・地方債・社債など。(大辞泉)
率直に言って、なんだかよくわかりませんね。普通の人なら、この定義を見た瞬間に嫌になる事でしょう。
仕方がないので、もっと簡単な言葉で書き直してみます。
国・地方公共団体・企業などが、お金を借りるときに発行する借用証書のようなもののことを債券といいます。
ただ、普通の借用証書と違い、人に売ったり、人から買ったりする事が出来ます。
まだこっちの方が分かりやすいでしょう。正確性は犠牲になっていますが。
債券は借用証書のようなものですから、債券を発行するということは、誰かからお金を借りるということです。お金を借りるということは、債券を発効した国や企業は、債券を持っている人に利息を払わなければなりません。そして、返済期限が来れば、借りたお金を返さなければならないわけです。
まあ、要するに、借金だと思うと理解がしやすいわけですね。借り手が貸し手に対して利息を払いますし、最後には元本も返すわけです。
例えば国債というのは国の借金のことです。国が国民や企業から借金しているというわけですね。こうやって考えると、だいぶ分かりやすくなったのではないでしょうか。
新品を買うか中古を買うか
上に書いたように、債券は「人に売ったり、人から買ったりする」事が可能です。つまり、債券は新しく発行される新品を買う事もできますし、市場に出回っている中古の債券を買うことも可能なのです。
新品の事を新しく発行される債券という意味で新発債といい、中古の債券の事を既に発行された債券という意味で既発債と呼びます。
新品の債券(新発債)を買う場合は、発行価格という価格で購入する事になります。 ちょっとややこしいのですが、この発行価格は額面とは一致しません。つまり、額面100円で売るよと言っていた債券が、実際には100.1円だったり、99.8円で売り出されるわけです。
ここは混乱するポイントだと思います。経験上。
中古の債券(既発債)を買う場合は、市場価格で購入することになります。中古品は売り手と買い手が納得した価格で買うと考えればいいでしょう。
通常、個人が既発債を買う場合は、相手は金融機関です。ですから、金融機関の言い値で買う事になります。
いつ買っていつ売るか
既に書いた通り、債券は新品を買うことも中古品を買うことも可能です。ということは、逆に言うと期限切れ(償還と言います)までまって換金してもらう事も可能ですし、途中で誰かに売ることも可能といことです。
期限切れまで待って換金してもらう場合は、必ず決まった価格で買い取ってくれます。この価格のことを償還価格と呼びます。償還の時の価格だから償還価格です。そのままですね。
期限が切れる前に売る場合は、売り手と買い手の同意する価格で売ることになります。これは、中古の債券を買う場合の逆ですね。
つまり、売買には次の4つのパターンがあることになります。
- 新品で買って最後まで持っている
- 新品で買って途中で売る
- 中古で買って最後まで持っている
- 中古で買って途中で売る
まあ、個人の場合は、新品で買って最後までもつことが多いでしょうけどね。
個人が買える債券
最後に、個人が買える債券を簡単に見ておきましょう。
個人向け国債
まず思いつくのが、個人向け国債です。名前に個人向けと入っていることから分かるように、個人投資家を対象としています。
個人向け国債の中でも変動10年は、実はかなり有利な金融商品です。使いやすい金融商品と言った方が良いかな。
何が有利かというと、長期金利(新発10年物国債の金利の事です)が上がると個人向け国債の金利も上がるという点です。勝手に金利が上がるので、低金利の時期に、市場金利を気にする必要がなくなります。
放置しておいても大丈夫というのは、個人が金融商品を選ぶ際の大事なポイントです。まあ、逆に金利が低い時期には、金利が下がらないか気にしないといけないんですけどね。
この他にも、元本割れ無しで解約できるという、普通の債券には無いメリットもあります。元本保証の金融商品で運用したいという人は、是非チェックしてください。
国債
普通の国債で運用することもできます。まあ、個人の場合は、個人向け国債が使いやすいとは思いますが。
社債
社債というのは会社が発行する債券です。個人向けとありますが、特に個人のための社債というわけでもありません。個人でも買えるように、100万円程度に小口化した社債の事です。
この個人向け社債ですが、率直に言って微妙な金融商品です。といのも、社債を発行する企業や証券会社としては、本来は個人には売りたくないからです。
個人に売るということは、小さい額でたくさんの人に売らないといけないという事ですからね。当然コストもかかります。可能なら大口の投資家に売ってしまいたいのです。
ということは、個人にしか売れないような社債を何とか売るために、個人向け社債というものができたとも言えるわけです。
外国債券
外国債券は、文字通り外国の債券です。正確には、発行市場、発行体、通貨のどれかが外国の物であれば、外国債券になるそうです。
最近は、一部通貨建て商品の金利が高いために、外国債券も人気があるようです。確かに、日本の長期金利がほとんどゼロの時期に、10%前後の金利を見せられたら、買いたくなる気も分からないではありません。
まあ、でも、率直にいって、それほど積極的にはお勧めしないですけどね。細かい説明は割愛しますが、金利が高くても為替変動で打ち消されると考えるのが自然ですから。
とりあえずこんなところで
債券については、説明することが沢山あります。タイトルに書いた通り、「入門の入門」の知識だと思ってください。
それでも、何にも知らない状態よりは一歩前進だと思いますよ。
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