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確定拠出年金(個人型)で老後の生活資金を貯えつつ税金対策

確定拠出年金(個人型)という制度をご存知でしょうか?1

一時、話題になった制度なので、名前くらいは聞いたことがあるという人は多いでしょうね。iDeCo という愛称をつけて、金融機関が結構大々的にキャンペーンをやっていましたから。

でも、実際どんな制度なのと聞かれると「?」という方が多いのではないでしょうか。「何となくお得なんでしょ」という程度の認識の人が多いはずです。

確定拠出年金(個人型)

実は、この確定拠出年金という制度、老後に備えてお金を貯められる上に税金が安くなるという、たいへんお得な制度なのです。詳しくはこれから説明しますが、本当にお得です。国が頑張って大盤振る舞いしているのです。

で、その確定拠出年金(個人型)という制度について、このページでは次のような事をご説明したいと思います。

  • 制度の概要
  • メリット
  • デメリット
  • 加入できる人の条件

まあ、基本的な部分についての解説です。制度の事がよく分からないという人は、チェックしてみてください。

確定拠出年金(個人型)の概要

確定拠出年金は、毎月一定額を拠出することで、老後に一定期間(5年〜20年)給付を受けられるという制度です。企業がお金を出す場合を企業型、個人が自分でお金を出す場合を個人型といいます。2

個人年金保険に似ている

毎月積立てて、将来年金で支払われるという事で、生命保険会社の個人年金保険と似たようなシステムだと思っていただければ理解しやすいと思います。ただ、国による税制上の優遇措置があるので、生命保険会社の個人年金保険よりはかなりお得なシステムといえるでしょう。

あ、ちなみに、個人にとって税制優遇があるのは、自分で掛け金を払っている場合です。当然ですが企業型で会社が掛け金を払っている場合は、会社にとっての優遇があります。

投資信託の積立に近い商品でもある

確定拠出年金には、もう一つ大きな特徴があります。資産運用の指示を自分でできるのです。

元本確保型のファンドやハイリスク・ハイリターン型のファンドに、加入者の意思で掛け金を振り分ける事ができます。ですから、人によってもらえる年金額に大きな違いが出る可能性があります。違いが出る可能性があるというか、違いが出ます。

このファンドというのは、要するに、投資信託の事です。つまり、確定拠出年金というのは、投資信託の積立に近い仕組みとも言えるわけです。

結局、個人年金保険と投資信託積立の良いところを合わせたような仕組みという言い方ができます。

ただそれだと、保険に詳しい人から、変額年金保険と同じじゃないかという指摘もありそうです。実際にその通りなのですが、保険会社が売っている変額年金保険よりも、手数料の面でかなり優れています。

転職しても大丈夫

また、自営業者がサラリーマンになったり、サラリーマンが会社を変わったりという場合も、継続して確定拠出年金を利用し続けることができます。その意味では、柔軟な仕組みという言い方もできるわけです。

所得税の節税ができるのが最大のメリット

上にも軽く触れましたが、確定拠出年金(個人型)の最大のメリットは、所得税の節税ができるという点です。もう少し具体的に書くと、掛け金の全額が所得控除の対象になるのです。

具体的にどの程度の節税が可能なの?

具体例として課税総所得3 が500万円の家庭を考えましょう。通常ですと、所得税の額は次のように計算できます。

500万円×20%−33万円=67万円

しかし、確定拠出年金(個人型)に加入して月々50,000円の保険料を払った場合は次のようになります。

(500万円−60万円)×20%−33万円=55万円

このように、確定拠出年金(個人型)に入ったほうが年間12万円も所得税を安くすることができます。

つまり、この場合ですと60万円の金融商品を20%引きの48万円で買ったのと同じ効果があるわけです。給付を受けるときに元本の60万円から全く増えなかったとしても、12万円割引を受けているわけですから、結局12万円は得しているわけですね。

しかも、この減税が毎年あります。

掛け金と所得と節税の関係をちょっと補足

一般的には所得が大きい人ほど所得税の控除が受けられます。例えば、課税総所得が1,200万円の家庭でしたら年間18万円所得税を下げることができます。

ということで、所得税を払っている人は、確定拠出年金(個人型)にぜひ加入していただきたいと思います。特に、所得が大きい人は必ず入るべきなのです。

また、月々の掛け金が大きければ大きいほど節税の効果も大きくなります。可能でしたら、目いっぱい掛け金をかけるべきでしょう。

年金を貰うタイミングでも少しお得

さらに、年金を受け取るときも公的年金等控除が使えますので、投資した利益に対する税金が安くなります。

つまり、確定拠出型年金(個人型)は買うときにも受け取るときにも税金の優遇措置がある投資商品であると言えます。はっきりいって、すごいお得です。

確定拠出年金(個人型)のデメリット

さて、こんなに優れた確定拠出年金(個人型)にも、デメリットはあります。特に気になるのは、次の2つでしょうか。

  1. お金に関する勉強をしなければならない
  2. 途中解約ができない

多少は勉強をした方が良い

制度の概要でご説明したように、確定拠出型年金は年金加入者であるあなたが運用の指示をしなければなりません。運用の指示をするためには当然のことながらある程度の金融知識は必要です。

といっても、すごく高度な知識が必要というわけでもないんですけどね。上に書いたように、運用といっても、しょせんは投資信託の積立みたいなものですから。

まあ、それでも、確定拠出年金をマトモに運用しようとおもったら、資産運用に関する勉強をしなければならないということです。何時間かでも勉強しておくと、大分違うはずです。

確定拠出年金は、利回りや元本を保証してくれる制度ではありません。間違った運用をすると掛け金よりも給付のほうが少ないという事態になることもありえます。

その意味で、どんな風に運用指示を出すとどんなリスクがあるのかを知っておく必要があるでしょう。損をしないためにも学習は必要であるといえるでしょう。

もっとも、そもそも損をするためのファンドなんて扱っていないわけです。ですから、そこまで肩ひじを張って取り組まなくても大丈夫ですけどね。リターンを小さくせずに、リスクを小さくする方法くらいは知っていた方が良いよという話です。

解約ができません

もう一つのデメリットが基本的には途中解約ができないという点です。多分、確定拠出年金(個人型)で、これが一番気になる点でしょうね。

加入資格がなくなった場合などを除き、途中で解約して現金化することはできません。その意味では余裕資金の中で掛け金を決める必要がありそうです。

いざお金が必要になった時に使えないのは、困ってしまいますからね。

もっとも、かなりの税制優遇をしているのですから、ある程度の制限は仕方がありません。途中で引き出されて勝手に使われても、国としても困ってしまうわけです。

まあ、途中解約の禁止は、仕方がないルールでしょう。

確定拠出年金(個人型)に加入できる人

さて、最後に、確定拠出年金(個人型)の加入要件についてチェックしてみましょう。

とは言っても、制度が変わって、ほとんど誰でも確定拠出年金に入れるようになりました。以前は、国民年金の第3号被保険者(サラリーマンの妻)とか、公務員とか、一部の会社員はダメだったんですけどね。

ただ、それでも、いくつか確定拠出年金(個人型)に入れないケースがあります。

  • 国民年金の保険料を滞納している国民年金の第1号被保険者4
  • 農業者年金基金に加入している第1号被保険者
  • 一部の国民年金第2号被保険者

「一部の国民年金第2号被保険者」というのは、要するに会社員の事です。会社員も多くの場合、確定拠出年金(個人型)に入れるようになっていますが、企業年金との兼ね合いで入れないケースもあるのです。

ただ、全部説明するのはちょっと無理なので、ここでは詳細は割愛します。自分のケースが大丈夫なのかを知りたい人は、会社の総務にでも確認してみるのが早いと思います。

窓口となる金融機関は?

確定拠出年金(個人型)に入るには、特定の金融機関を決めて、そこを通して入る必要があります。ただ、確定拠出年金(個人型)を扱っていれば、どの金融機関でも良いというわけではありません。

上に書いたように確定拠出年金はファンド(投資信託)の積立です。そして、金融機関によって対象となるファンドが違うのです。あと、手数料もかなり違います。

ですから、金融機関選びはとても重要です。

個人的にはネット証券である次の2社をお勧めします。手数料が安い上に、取り扱っているファンドも優れています。まあ、確定拠出年金(個人型)という仕組みに興味があるなら、資料請求だけでもしてみてください。


  1. 確定拠出年金(個人型)については、「確定拠出年金はおすすめの積立商品〜日本の401k(個人型)の基礎知識〜」も参考になさってください。確定供出年金について、必要事項をコンパクトに整理しています。 []
  2. 厳密に言うと、企業型の中にマッチング拠出といって、個人がお金を出せるケースもあります。 []
  3. 税額計算のベースとなる所得で、実際の年間の給与などの収入から各種控除を引いた額です。 []
  4. 第1号被保険者というのは、個人事業主などの自分で国民年金の保険料を払っている人です []

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iDeCoはSBI証券がお勧めです

老後の生活資金の準備では、やっぱりiDeCo がおすすめです。とはいえ、iDeCo を始めるならどこの金融機関でも良いというわけではありません。窓口となる金融機関選びは凄く大事なのです。

金融機関選びを失敗すると、かなり不利な状況に追い込まれることになるでしょう。iDeCo を利用するメリットが無くなってしまいます。

とりあえず現状だと、iDeCo を始めるならSBI証券がお勧めです。手数料が安くて選べる投資信託の本数が多いからです。投資信託が多いだけではなく、優れた投資信託がきちんと選ばれている印象です。

iDeCo に興味があるという人は、とりあえず資料請求だけでもいかがでしょうか。

また、他にも選択肢をという事であれば、マネックス証券をお勧めします。マネックス証券もSBI証券い負けないくらい手数料が安いのがその理由です。扱う投資信託は少し少ないですが、必要なものはそろっているので、その意味でも問題はありません。

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