一般に資格を取得するということは、掛けるコスト以上に価値があるから資格を取るわけですよね。これはFP技能検定に限らず、他の資格試験でも同様です。
さてFP2級は、取得コスト以上に役に立つ資格なのでしょうか。検証してみましょう。
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FP2級取得を目指すのは損か得か
資格を取得するという事は、その資格に何かしらの価値があると思っているわけですよね。何も価値が無いと思えば、資格なんて取ろうと思わないでしょうから。
FP技能検定、特にFP2級の場合、その価値と言うのは、いくらくらいなのでしょうか。あるいは、資格取得で得られる価値がいくらくらいなら、時間とお金を使って勉強するメリットがあるのでしょうか。
こういうテーマを取り上げると、打算的でいやらしいと思う人もいるはずです。特に日本では、お金の話は卑しいことというイメージが強いですね。
でも、FPの話って、そもそもこういう打算的な話も多いんです。保険を節約するにはどうするかとか、少しでも税金を減らすにはどうするかとか、運用してお金を増やすにはどうするかとか。どちらが得かという話のオンパレードです。
ですから、まあ、こういった話題との相性は悪くはないはずです。
FP2級取得のコストはいくら?
まず、FP2級の取得コストがどの程度なのかを考えてみましょう。このコストよりも価値があると思えば、資格取得を目指せば良いわけです。
あなたが現時点で、FP2級の受験資格を持っていないと仮定します。つまり受験資格を得るところから始めないといけない状態だとしましょう。
この場合いくつか選択肢はありますが、今回はAFP認定研修を修了してからFP2級を目指すとしましょう。
AFP認定研修の価格は、資格学校などにより様々です。ECCビジネススクールの5万9800円あたりが一番安い価格帯でしょうか。とりあえずここでは、認定研修の費用を6万円としておきましょう。
この他の費用として、受験の時の費用が掛かります。受験料やら交通費やらがかかるわけです。ここでは細かい数字を出しても仕方が無いので、大雑把に1万円としておきましょう。
1回で合格すると仮定しても、実技試験と学科試験の受験料と当日の交通費で1万円弱はかかりますから。1万円と言う仮定は、概算をする上では妥当なところです。
そして、一番大事なのが、資格取得のためにとられる時間をコスト換算することです。実は、この部分が一番かかります。ちょっと見積もるのが難しいのですけどね。
学習時間を費用換算
FP2級の取得のための学習時間は、大体200時間から300時間程度だと言います。これに1時間当たりいくらかを掛ければ学習時間をコストに換算できます。
1時間いくらで換算するには、今の賃金を時給換算するのが妥当でしょう。例えば、月20日労働で給料が25万円、1日8時間労働なら、時給は1,563円となります。
また、東京都の最低賃金が、これを書いている時点で時給958円です。1,000円弱という人が多そうですね。
と言うことで、学習時間も時給換算で1,000円から1,500円程度で考えると良いでしょう。もちろん、もっと稼いでいる人は、コストも高いことになります。
勉強に充てた時間をこの時給で働けたと仮定すると、勉強に掛ける時間を金額で表すことが出来ます。とりあえず今回計算した範囲で一番安く見積もると、1,000円で200時間で20万円です。一番高く見積もると、1,500円で300時間で45万円です。
安く見積もっても27万円くらい
これに、上で示した教材費用と受験費用をあわせて、27万円から52万円くらいでしょうか。AFP認定研修の費用が6万円と、受験関連の費用が1万円ですからね。
かなり価格の幅は大きいですが、まあ、大体この程度です。
もちろん、教材の費用を安くすることで、この金額を下げることは可能です。例えば、テキストと問題集だけで完全に独学をすれば、教材費は1万円で済みます。こうなると、5万円は安くできます。
もっとも、完全に独学にすると、勉強時間が余計にかかる可能性の方が大きいですけどね。1回の試験で合格できない可能性も高くなりますし。
こうなると、逆に、独学の方が高くつく可能性も大きいわけです。
不合格は時間の無駄でありお金の無駄
上で見たように、FP2級に限らず、資格取得のために時間を掛けるのはコストであると考える事が出来ます。数十万円単位のコストがかかるわけです。
コストを掛けるのは悪いことではありませんが、コストに見合ったリターンが必要なのは言うまでもありません。FP2級という資格に関して言うと、資格を取得して知識を身につけることがリターンでしょう。
時間がコストであることが分かると、資格試験に不合格になるというのは、凄く大きな損失であることも分かるはずです。不合格になって再受験するとなると、さらに長時間勉強する必要がありますからね。
1回目の半分の100時間で済むとして、1時間あたり1,000円だとしても、10万円の追加費用です。こんな無駄遣いは出来れば避けたいですよね。
FP2級は年3回行われるので、簡単に再受験が可能です。ですから、落ちてももう一度受ければ良いと、気楽に構えている人も多いようです。
しかし、時間をコストだと考えれば、こういう態度はいけないという事ですね。コスト意識を持つのなら、何とかして1回で合格する方が望ましいわけです。少なくとも、絶対に受かるつもりで受験するべきでしょう。
FP2級は27万円の価値があるのか
さて、話を戻しましょう。
FP2級取得のための費用の見積もりが、大体できました。少なくとも27万円以上はコストを掛けていると考えて良さそうです。
この結果から考えて、FP2級取得の価値が30万円以上あるのなら、取得の価値があると言って良さそうです。そして、私個人としては、FP2級の資格取得は30万円以上の価値は十分にあると感じています。
FP2級と言う資格自体には30万円の価値はない
率直に言って、FP2級と言う資格だけなら、それほど価値はありません。例えば、この資格だけでなにか仕事につながるという事は、ちょっと考えにくいでしょう。
就職するときの履歴書にちょっと書くことが増える程度のメリットだけだと思います。雇う側としても、最低限の知識は持っているという程度の評価はしてくれるでしょう。
まあ、この程度のメリットです。
これを金銭的にいくらと言うのは難しいですが、履歴書に書く程度のメリットなら明らかに赤字でしょうね。勤め先の企業で、資格を持っていると昇進に有利であるようなルールでもあれば、長期的に見て黒字になるかもしれませんが。
まあ、資格取得者全体で考えると、資格取得にかけたコスト以上に仕事で得をしている人は少数派だと思われます。
私生活でも活かせるのが大きい
ただ、FP資格に関して言うと、仕事以上に私生活で役に立つのではないかと思っています。少なくとも私の場合は、FP技能検定で身につく知識や考え方が、本当に日々の暮らしで役に立っています。
実際問題として、FP2級では深いところまでは勉強することはできません。得られる知識は基礎的なものだけです。しかし、基礎知識だけでも持っていると、全く違います。
というのも、お金に関する問題も、基礎知識だけで対処できることがほとんどですから。仮に基礎知識だけでは対処できないとしても、基礎知識があれば不明部分を調べるのも簡単ですし。
つまり、日常生活のお金に関する問題を対処する上で、FP2級は非常に役に立つわけですね。そして、そのメリットは取得にかかる費用よりも大きいと考えられるわけです。
私生活で役立つのは金融の知識だけではありません
FPというと、金融がらみの知識が多いと思っている人もいるでしょう。
もちろん、金融がらみの知識も必要ですし、それも実生活で役に立ちます。例えばFP2級程度の知識があれば、iDeCo を利用すると年間何万円節税出来るのかが、自力で簡単に計算できるのです。1
しかし金融だけでなく、年金や健康保険などの社会保険の知識も、相続に関する知識も、不動産に関する知識も身に付きます。そしてこれらの知識は、実際の生活の中で全部使いますよね。
少し具体的にみてみましょう。例えば上に書いたように、iDeCo と所得税の知識があるだけでも、iDeCo を使って年間数万円の税金を節約をすることを思いつくでしょう。これはiDeCo という金融商品の知識だけではダメで、所得税と住民税の知識が必要なのです。
iDeCo にかぎらず、税の控除を使った節税も可能です。相続にしないで贈与税の控除を使えば、相続税の節税ができます。
生命保険と社会保険の知識があれば、入りすぎの保険に気づくことが出来ます。あるいは、入らないといけない保険が分かります。はっきり言って、多くの日本人は、保険の営業の言うがままに不要な保険に入っているケースが多いですから。
もっとも、不要な保険を勧誘してる営業もFPの有資格者だったりするのですが。
なんにしても、このような例は、挙げればきりがありません。
メリットは明らかに27万円より大きいでしょう
これだけ実用的な知識が得られるわけですから、金額的にかんがえると、27万円の価値は十分にあると考えられます。この点からも、FP2級の取得をお勧めしているわけです。
もっとも、資格取得は必ずしも必要ではありませんけどね。既に書いたように、資格自体には大した価値はありませんから。ただ、勉強するときの目標として、資格取得と言うのは便利だとは思います。
あと、FP2級取得のための教材が、勉強に便利だというのもあります。お金に関する知識は幅広いですから、何をどこまで学ぶのかと言うのは意外と難しいのです。
しかし、FP2級がある程度の範囲を決めてくれているので、とりあえずその範囲を学ぶという事が出来るわけです。もちろんそれだけでは不十分なところもあるので、資格取得後も勉強した方が良いですけどね。知識は使わないと忘れますし。
- FP2級の合格者なら、計算で来てほしい。でも、実際には、応用が利かない人もいそうですけど。まあ、理屈の上ではできるはずです。 [↩]
FP2級を取りたければECCビジネススクールの講座をチェック!
FP2級の取得を目指すなら、ECCビジネススクールの通信講座がお勧めです。なぜなら、ECCのFP講座は、全国平均の2倍以上の合格率を誇る優良講座なのです。
税込で59,800円と、この手の講座としてはかなり低価格の部類に入ります。その上、FP3級の講座も無料受講ができます。非常にお勧めですよ。

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